検索窓
今日:7 hit、昨日:46 hit、合計:8,168 hit

522・中等部編 棗の過去 ページ32

棗、あの地平線の向こうのどこかに



大人達にも何にもしばられない



僕らだけの秘密の王国があるとしたら



2人でならたどりつけるかな。



僕らはどこまで行けるかな…



きっといつか…





「ルーちゃん、ルーちゃん起きナサイ。今日から新学期でショ。いつまでネテルノ?サッサと仕たくシナサト、遅刻ヨ、遅刻!」





棗と出会ったのは今から2年前の春。俺が8歳になって間もない桜の季節。





「学校やだな…行きたくない…」


「パ…パパア〜〜〜!!ルーちゃんがッ、ルーちゃんがトウコウキョヒをを〜〜〜〜っっ!!私ノ育て方がワルかったから!私が浮カレタパリジェンヌで、旧家の嫁にフサワシクナイカラァァァ!イヤァァ!」


「い…いくいく行きたい!!今のウソウソ!
ママ、もう仕たくできたからっっ!いくからっっ」


「あ、ソウ?じゃ行くワヨ」




ママの演疑(?)に騙された流架であった。
そう、これが棗との出会いの朝………───





「あ、きたきたー」


「乃木家のルーちゃんちのお迎え車ー!!」


「おっかけろー」





近所の子供達が再徐行で走る乃木家の車を追いかけたり乗っかったりといつもと変わらぬ風景。見世物状態だ。





「ちっ…ムジャキでカワイイ田舎者共めが…
手垢ツケタ奴、後でブットバス…」


「…。(だから学校行くのいやなんだ……っ)」





…でも仕方ない。幼い頃からアリスであることがバレてしまっている僕は、物心つく頃には周囲から好奇の目で見られる存在になっていて、過去に3度程、誘拐もされかけた。



元々、アリス学園の度重なる強引なスカウトに腹を立てていたママ。





「アリスダカ何ダカ知らナイケド、ルーちゃんは私達の子ヨ!国ダローが人さらいダローが、私達カラ、嫌ガルこの子ヲ連れていこうとスル奴ハ、もう許サナイッ!

ゼッタイにこの子は渡サナイ!ソレデもこの子ヲ奪う気ナラ、私ハ死ぬ覚悟と殺ス覚悟でアンタ達からこの子を守ッテみせるっ!!」





刀剣を出して僕を護るほど。アリス学園にパパとママ、乃木一家は宣戦布告をした。





「大丈夫。どんなことをしても、パパとママがあなたを守るから…」





──と、いうわけで。


今では家の周りに常に見張りが付き、常に誰かが一緒に行動、常に24時間ルカ専用のボディーガードが2人も付いている。と、いうわけなんです…


…もう慣れたけど、ぼくもみんなも。
はあ…、これじゃあ、「異質」の上塗り状態だ…

523→←521



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
43人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。