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「ここは俺達３人で、
さっさといけ。棗を１人で闘わせたくないんだろ？」
「みんな...…」
翼くんは笑ってそう言ってくれた。
「A、ここにはいねーけど、お前には殿や美咲、要や皆がついてる。何も恐れることはねーよ」
大丈夫。その言葉さえあれば、あたしは闘える。
「行こう蜜柑、蛍！」
棗くんの所へ。
「行くよ、流架！」
棗くんと一緒に闘う為に。
あたしは流架の手を引き、３人にここを任せて更に奥へと進み出した。
「んじゃ、はじめますか」
棗の元に向かったA達を見送った翼、陽一、璃音。先陣を切って攻撃に出たのは璃音だ。
手の平から小さな旋風を起こして、砂嵐を巻き起こす。それは渦となって瑠衣と颯目掛けて進む。
「結界内でこの威力…」
「マ…マジかよ……っ、わ！」
「よーちゃん、俺達もひと暴れすっぞ！」
「う！」
結界の影響でアリスが使いにくいにも関わらず、地下に慣れた瑠衣達よりも大きな力を出してみせた璃音に２人の顔に冷や汗が流れた。
「………３人に、ちゃんと話したいことがあるんだ」
暗い通路を暫く廊下を歩いたところで先頭を歩いていた流架が口を開いた。
「ルカぴょん？」
「進みながらでいいから…」
「……それって、さっき言ってた棗君の…？」
「あ…」
「………ルカ君」
「棗はみんなが言うような
大罪人でも人殺しでもない!」
「──欲しくもない
アリスを持ってしまった棗の、棗の気持ちが───…」
「棗君がこの学園いることが、
今回の妹さんの事と、もしかして何か関係あるの？」
「…流架、あたし達ちゃんと聞くから。
だから、ゆっくりでも良いから、」
あおい、あおい…
「聞いて欲しい…
俺たちがここに！学園に来る前の棗の本当の話…」
あたし達は歩きながら、流架の言葉に耳を傾けた。
そして、あたし達は理解したんだ。
今まで棗くんが背負ってきたもの、守ってきたもの…
その全てを……
「宴が終わっても帰ってこないか…」
「棗くん、大丈夫だよ。
Aちゃんは必ず帰ってくるから」
「…誰も聞いてねえ」
…ねえ、棗君。
君は今、あの時の僕の予感通り
暗闇の中に
Aちゃんという光りを、見い出しているかい…？
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作者名：未来 | 作成日時：2023年3月24日 23時
