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「こんな時、棗くんにとって1番の力になれるのは誰でもない流架でしょ!」
棗くんが流架の存在にどれだけ救われたか。
棗くんを見てたら分かるよ。
「だって流架と棗くんは親友なんだから!
親友のピンチに駆けつけないでどうするのっ、」
「A…」
あたしは流架を真っすぐ見つめて言い切った。大きく目を見開く流架。
「陽一、影先輩…コソ…」
「「!、えい」」
「「!」」
「「!?」」
翼くんと陽一くんが流架を後ろから押したせいで、見事にあたし達は倒れてしまった。その様子に、蜜柑と蛍は驚いてる。
「もーいいよ、長話は。乙女組はさっさと行け」
「な…乙女組!?」
「…って璃音が言った」
「おい」
さらっと嘘を言う翼くんに璃音くんは指摘した。
「さっきより、よーちゃんも俺も回復したし」
「んー」
「俺はアリス使ってないから万全だし、結界があっても俺のアリスは劣ってない。
それにさ、俺のアリスと違って、流架のアリスはこんなところで使うのは似合わない。争い事の為に使うアリスじゃない」
まるで流架の背中を後押しするように揺るぎない眼差しでそう話す璃音くん。目を見開く流架。
「ま、ここは俺ら3人で何とかするさ」
翼くんと璃音くんは安心させるような笑顔で言って、翼くんの言葉に頷く陽一くん。
「な、」
「俺も
「俺は傷つけられたAの敵取りと日頃の恨みを込めて」
翼くんと璃音くんの言葉に目の色を変える颯さんと瑠衣さん。
「てめーら、さっきから何勝手な事、」
「へぇ〜〜
「まあ、女(まがい)に痛い目合わすようなマネ、本当は気進まねーけど」
「え、女!?あたしのこと?」
明らかに女を強調して言った翼くん。
翼くんの煽てに乗せられたルイさんは頬を染めて、先程までの殺気を消し、戦いモードから乙女モードに気持ちが傾く。
「事情が事情なだけに、こーなったらそこんとこ本気でかからざるを得んでしょ。な、璃音、よーちゃん」
「「ん」」
陽一くんが翼くんを真似して首をコキと鳴らす。身長も体つきも変わった陽一くんが凄く格好良く見えた。
「大ー丈夫っ」
翼くんは尻餅をついている流架の前にしゃがみ込むと、流架の頭をくしゃっと撫でる。
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作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時