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問いただしてきた翼くんと璃音くんの腕を引いて、全てを話す。





「…あたし達こんな事してる場合じゃない…っ、棗くんを探さないと、連れ出さないと…!

棗くんは、妹を探すために花姫殿(ここ)に来てるのっ!

でもこのままだったら、棗くんが花姫殿(ここ)の地下牢に幽閉されるってっ…!何とかして阻止したいのっ!!」


「ちょ…落ち着けA、」


「今の話、本当か…?!何で棗だけ…アイツ(初校長)っ、」





必死に、翼くんと璃音くんに棗くんの事を説明していた時だった。





「…っ!!、わっ!」


「やべっ!」





あたしと2人の間を、物凄い勢いで風が吹き抜けた。翼くんの持っていたランプは、金具が切れて床に落ちる。


割れて火が上がり、みるみる燃え広がる。慌てるあたし達を他所に落ち着いている璃音くん。


璃音くんがアリスで水を出してくれたお陰で無事消火。あたし達はすっかり敵の存在を忘れていた。





「…だまってきいてれば、ろくに俺らの相手にもならねーお前らが、おれらだしぬいて“阻止”だあ?

フザケンナ。
さっきから聞こえる生意気な声もムカつく…!!」





犯人は勿論、風使いのカマイタチさんだ。





「おい、そこのお前らっ!」





ぎこちなく動いて、手にした懐中電灯の灯りをあたし達の方へ向けて照らした。





「やっぱりお前らか、安藤翼(かげつかい)っ!璃音っ!!」


「げっ!お前…空気使いの…、…名前何てったっけ」


「せ…先輩、知りあい!?あのヘンな人と…」


「てか、同じクラス?え──何でこいつがここに…」





どうやら風使い…じゃなかった、空気使いのカマイタチさんは翼くんと同じクラスのようで顔見知りみたい。





「颯だ!こらあっ!」


「あ、そうだ。そんな名前…」


「おい、かげ先輩!何で颯のやつ動いてんの!?アリスまで使ってるぞ」


「“影あやつり”で自由を一切封じてるハズ……」


「それにはワケが」





そこに突然、背後からぬっと現れた蛍。


星3(トリプル)、もしくはそれ以上の実力を持つ翼くんがアリスを使うとよっぽどの事がない限り、相手は動けなくなる。


けど、この場所そのものがそのよっぽどの事(・・・・・・)に相当していた。仕組みについて、かくかくしかじかと解説する蛍先生。





「え?!
この地下って、結界でアリス使いにくいとこなの?!
何ソレ!やばくない?ねえ」


「先輩もやっぱアリス使いにくいんや〜」

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作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時

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