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「この花姫殿は、姫様の結界のアリスのお膝元…」





あたしは、ふと花姫達の言っていた言葉を思い出した。





お気に入り(・・・・・)の子、可愛い顔が台無しね…」


「…え、?」





ルイって人があたしを見てそう言った。そして隣にいる蜜柑へ目を向けて、おどけたような声を出す。





「そっか、あの子か。
棗君のパートナーの“無効化”って。

こんなとこまで身の危険顧みずパートナーを助けにくるなんて、かいがいしいこと☆」





そして、信じられないような言葉を続けた。





「でも残念!かわいそうにー。君らがどんなに頑張って彼を助けようとしても、棗くんはこの先もうずっとこの花姫殿の結界地下牢に幽閉される事、決定のようなもんだから」



「え…」



「やっぱ知らなかったか」





あたしは目を見開く。蜜柑達も同じ。
聞き間違えじゃ、ない…


棗くんが、幽閉…?この地下に…?
何で、棗くんがそんな事、棗くんは何も悪くないのに、





「心配すんなルカ」





「気をつけて、大切な何かを失わないように…」





「明日で終わりだ、こんな茶番」



「A、さんきゅー...」






どうして…?何で、棗くんなの…?放たれた言葉が頭の中で木霊する。





「うそ…っ、何で棗が、」


「さあねー。ペルソナが決めた事なんだし、あたしらには関係ないし」





困惑して食らいついて問う蜜柑を軽くあしらって、我関せずといった様子で答えるルイさん。





「まあ、ちょこちょこ目ざわりな行動とっては警告をうけてたみたいだし、当然じゃない?

ここにも妹を探しに来るなんてバカなエサにつられたりしなけりゃ、こんなことにはならなかったかもしれないのに」





棗くんに、妹?





“あお、い…”





まさか…



でも、夢に出て来た可愛くて笑顔が綺麗な女の子。
棗くんと同じ瞳の女の子。





「元が大罪人なんだから、今までの待遇が良すぎただけなのかもしんないけど」





続いて発せられた言葉に、あたしは下唇を噛み締める。ふと隣を見た。


棗くんの妹の話を聞いたあたりから、明らかに動揺している流架。





「棗や俺の事、何も知らないくせにっ
勝手な事言うなっ!」







あの言葉(・・)が蘇った。流架は悲しそうに思い詰めたような、何かを言いたそうな顔を俯かせる。

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作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時

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