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蛍ことしか考えられなくなってしまい、1人でブツブツ呟いている颯が行動を起こした。





「なぁ…なぁって!」





颯が蛍の肩をガシッと掴んだ。蛍はかすかに殺気を放ちながら、振り返って睨んだ。





「……はあ?」
(訳:手ぇはなせや、バカ菌伝染す気かコラ…)



「関西弁…っ」


「凄くお怒りに…っ」





さっきの戦いに敗れたせいで、とっても凄まじく不機嫌な蛍。だが、それにもめげないのが颯である。


ぞくん…蛍の冷たい態度はバカな颯のハートをさらにブチ抜いた。




「え…」


「か…肩、細いなお前…」


「(なにこの人──っっ、もうかえってー!!)」





冷たい蛍にもキュンときてしまい、颯は頬を赤らめる。その姿にA達はもうドン引きである。





「(…この人、絶対Mだ……)」






どんなに冷たい言葉を投げかけられても蛍に縋りつく颯を見て、Aが一つの結論に行き着いた時だった。





「は・や・てくん☆何やってんのかな〜〜〜
様子見に来てあげれば…この、のろまの役立たずが」





新たな声がその場に響いた。女のように甘い声だ。





「な〜に、いっちょ前に女の子の(ケツ)おっかけてんだー?青春中坊。本物の役立たずにされてーかコラ☆」



「カ…ルイっ」





そこには笑顔の瑠衣がいた。なかなか戻ってこない颯の様子を見に来たのだ。





「今、「カマ」って言いかけた?」


「ち…ちが…」


「「(ま…また来た変な人──っっ)」」




瑠衣に絞められている颯。その光景に、A達は冷や汗を流すしかなかった。瑠衣はオカマと言われることが何より嫌いなのだ。





「さ・て・と☆
カッコイイ男子は何処にいるのかな〜〜☆」





颯から手を離した瑠衣はA達に目を移す。歩み寄り、1人1人の顔を確認していく。





「?」





自分の男前レーダーに反応した男は、一体どこにいるのだろう。


A達は全員小学生。流架はどちらかと言うと男子ではなく、男の子だ。





「かっこいい男子…?」


「ひっ…(迫力が凄すぎる…っ!)」


「ルイ…」





お目当ての男子を見つけられなかった瑠衣は鬼の形相で4人に詰め寄る。Aはかなり驚いて後ろに下がった。





「(こ、この人も危険能力系…?)」


「お姉ちゃ、」





そんなA達を庇う様に前に出たのが陽一だった。





「あれ──?☆
やだ何この子っ!!かわい──んだけど──っっ☆」





陽一の登場に瑠衣は目を輝かせて喜んだ。

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作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時

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