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「わっ！！」
「！」
足を滑らせた敵は、天井から落ちる。それを待っていたかのように蛍はバカン砲を更に打ち込んだ。
「ちっ…調子に乗りやがって………」
「っ！」
戦う蛍に切れたのか、敵が蛍に向かってアリスを放つ。それを感じ取ったあたしは蛍の方へ駆け出した。
「この…ヘルメット野郎！」
「蛍！！」
風が当たるスレスレのタイミングで蛍を突き飛ばした。けど、タマヘルに当たって真っ二つに割った。そして、粉々に壊れた。
「う……」
「蛍っ」
タマヘルを破られた衝動で、その場に蹲る蛍を支える。すぐに蜜柑と流架、陽一くんが駆け寄ってきた。
「とどめの一発っ！」
「にげて蛍！」
あたしは、近付いてくる敵から蛍を庇うように立った。
「蛍をどこか遠くに…っ、止まっ…！？」
流石に危険だと判断してアリスを使おうとした。けど、蛍の前に立ったところで敵の動きが突然止まった。
「(あれ…攻撃して、こない………？)」
え…女…の子…？
「き…きたっっ！蛍はやく逃げてっっ」
え…あれ…！？
「(…この人、顔が真っ赤……？)」
何故か顔を真っ赤にして立ちすくんでいる人。どうやら彼の目に入っているのは蛍の様で、食い入るように見つめていた。
また１人。蛍の美貌は、おバカな少年のハートをぶち抜いたのだった。
「………」
ヘルメット野郎=美少女！！？
それにストライクゾーン、どまんなか。
昔々、俺が小さい頃。｢美少女戦隊☆ファイブカラー！｣という、超絶人気アニメがあった…
俺は｢ファイブカラー｣が大好きだった、死ぬほど。
「は…っ、いきなりどっからか声が...」
「あの人(颯)の心の声、っぽい…よ？」
５人の中で特に、
参謀にして副リーダーの視聴者人気NO.1！
｢クール☆ブルースカイ｣が大好きで大好きで×10…
毎日夢にも見た。
こいつ…っ、こいつこいつこいつ…っっ！！
“バカな子にはおしおきよ…”と言う冷静で強い
その｢クール☆ブルースカイ｣にそっくり………っっっ
夢か...？夢なのか？！
番組最終回にはショックで寝込んでしまったくらい夢中だった、あの｢クール☆ブルースカイ｣が今、目の前に、ここに…っっ
「あ…あのー…あれ？」
「ク…クールブルースカイ…」
何だよ…この胸のドキドキ…と…とまんねえ…
怖いくらいドキドキがとまんねえ…っっ
ドキドキがとまんねえっっ！！
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作者名：未来 | 作成日時：2023年3月24日 23時
