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「蛍おねーちゃ…〜〜〜…」
陽一くんが蛍に何か話しているのが見えた。そして蛍達にも攻撃が襲いかかろうとしていた。
「蛍っ、陽一くん!危ない!」
ブワッ…!
「「「「!?」」」」
しかし、その攻撃を蛍は持っていた扇子で跳ね返した。え、ちょっ、蛍の扇子凄すぎる。
「…な、何だ今の…何だこのヘルメット…っ」
これには颯も驚いた様で、変なヘルメットを被った蛍を怪しんでいた。
「蛍っっ!大丈夫?!今の何!?すご──いっ!!」
「蛍。その扇子、何…?」
「これは“爆風扇”」
爆風扇について冷静に説明し始める蛍。大きく1振りで1爆風、頑張ればプチ台風も夢じゃない。どうやら天候を操れるみたい。
「さ、さすが蛍…っ」
「何でそんなものを花園会に…」
「着物のお供にと思って。よーちゃんから聞いて、あの飛んでくるものの正体が分かったわよ」
「え」
「“風”よ。多分」
「風?!」
目には目を、歯には歯を、風には風を。蜜柑に抱きつかれた蛍は、攻撃の存在を教える。
「よーちゃん曰く、私達を今襲って来てるのはよーちゃんと同じ危険能力系の空気操りの“かまいたち”ですって」
「かまいたち…?あ、かわいい」
「よーちゃんにつっこまれるようじゃ、あの子も終わりね…」
「さくら…」
鎌を持ったイタチを想像して、陽一くんに叩かれている蜜柑もこの際、放置した。まだ叩かれてる…
蛍は自慢げに扇子を仰いで、敵が居るであろう天井へと視線を向けた。
「この…っ、わけわかんねー道具使いやがって…
ヘルメットのくせに、その不敵で生意気な態度………っ
どっかのムカツク
棗のかわりにこいつをギタギタにしてやる──!!」
それに怒った颯は蛍に対抗して、さらに大きな風を巻き起こす。
バカのにおいがすると言わんばかりに蛍の目が光った。
バカには負ける気がしないわby蛍
蛍は爆風扇を使って颯の風を打ち返すと、さらに風を巻き起こしてその風で颯を襲った。予想外の反撃に、颯は驚きを隠せずにいる。
本来ならば蜜柑が無効化を使えば戦わずに済むのだが、俊敏すぎて蜜柑は手も足も出なかった。
…バカに対して、「容赦する」なんて言葉は持ち合わせてないわ
扇子と装着したバカン砲を駆使して、敵とやり合う蛍。すごい、なかなかいい勝負。どんどん追い込んでいる。
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作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時