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蛍発明のタマゴ形ヘルメット、略してタマヘル。


新機能として、タマヘルの両目からライトが発せられるようになっていた。


確かに人魂よりも格段に明るい。だが、あの何とも言えない顔立ちのタマヘルの目が唐突に光るだなんて思いもしなかった。


突然の発光に、先程よりも大きな悲鳴を上げた蜜柑と腰が抜けそうになったA。





「どっからヘルメットを…」


「何よ、いちいちうるさいわね…」


「だって顔が怖かったんやもんー、ひー……!」


「お願い蛍。前見て、前…」



流架が小さくツッコミを入れたが、蜜柑の叫び声の方が断然大きく、誰も答えてはくれなかった。





「……」





ぎゃあぎゃあと騒ぎながら進む5人を天井から観察する少年が1人。少年はA達を1人ずつ、じっくりと観察すると溜息を吐いた。





「(…何だこいつら。ただのガキ共じゃねーかよ。くっそつまんねー、やってられっかよ…

さっさと片付けて…ん?
あいつ……?どっかで見たここが…)」





はっきりと覚えていないくらいの相手だ、大したことはないと結論づける。


少年はニヤリと笑い、手の平につむじ風を起こして動き出した。





「今っ、何か声っ、聞こえた!聞こえた!!」


「あーハイハイ」


「どっかから声したした!」


「も──ルカ君、突き落としていいわよ、こいつ…」


「だって今本当に…」





余りにもうるさい蜜柑に痺れを切らした蛍がそう言った瞬間、蜜柑が階段から転げ落ちた。





「ぎゃああぁぁ!!」


「佐倉!?」





ボロボロの蜜柑と流架を交互に見た。蛍も恐ろしげな目で流架を見る。





「蜜柑、しっかりっ」


「ルカ君……っ、恐ろしい子…」



「ち…ちが────う!!」





いや、でも、流架が突き落とすなんて事するわけない。
じゃあ誰が…





「おいおい〜〜こんなんじゃ、マジでさっさと5人片づけて、マッハであっち戻れそうじゃん」


「「「「「!!」」」」」





暗闇から急に鳴り響いた聞きなれない声。皆は動揺して辺りを警戒する。





「ハハ!どこみてんだ、お前ら。
バ──カ、こっちだこっち」





声がした途端、物凄い速さで頭上を吹き抜けた風。





「わ!さくらっ」


「る、流架!」





流架の着物の袖が鋭く切り裂いた。これは風?





「ギタギタにされたくなかったら、精々逃げ回るんだな」





知らない男の笑い声が響くと、次々と目に見えない何かが襲いかかる。その攻撃を何とか避けるあたし達。

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作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時

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