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嘘みたい。
でも、何でいきなりこんな…?





「………よーちゃん。昨日、私の部屋にあった“ガリバー飴”パクったわね………?」


「!!」





蛍の言葉に陽一くんの犬耳が反応した。そんな陽一くんをしつけるためにお尻を叩く棒のような物を持つ蛍。


そんな蛍を見て、陽一くんは蜜柑の後ろへと隠れた。








「まあまあ、蛍…」



「よーちゃんがこの体でドア蹴破ってくれたおかげで、ウチあそこから出られたんやし」



「良しとしよう、ね?」



「…蛍おねーちゃん、ごめんなさい……」





体はガリバー飴で13歳に成長しても、中身は3歳児のままだ。蜜柑と一緒に蛍を宥めると、舌足らずな話し方で謝る陽一くん。


そ、それにしても…
幾らガリバー飴を食べちゃったからって…


人ってこんなにも変わるものなの?
い、色気が半端ない。





「しかられた…」


「わっ!」


「Aおねえちゃ、ちいさい、かわいっ、」





突然、後ろから抱き締められた。ああ、なんだろうこの気持ち。ドキドキする。


……って、ちょっと待てあたしっ!
陽一くんの言葉にドキドキしてる場合じゃない!




「それはともかく」





花姫達の目が一瞬にして、そそくさと部屋から逃げようとしていた撫子さんと小梅さんの方に向く。





「ごめんなさい〜〜…」





数秒後には2人の顔は墨で落書きだらけになった。花姫達のお怒りを随分と買ったみたいだ。





「ふう…この度は花園会でこんな不始末…
許してね、佐倉さん。姫様に甘やかされて…この子達ったらもうホンット、アホでバカでオロカなの…」



「でも、こんな程度の低い子、花姫ではこの2人くらいだから…サルの浅知恵程度のいたずら心でそこまで悪気はなかったと思うの……許してあげて…」



「ごめんなさい〜ゆるして〜…」


「あ”〜〜〜…」





静音先輩と紅葉さんはおっとりとした口調で謝るけど、2人の耳を引っ張る手には、かなり力が入っている。





「「(何でそんな人が花姫に…?)」」


「(花姫て何ぞや?)」



「まったく…
この件についてはしっかり姫さまに報告して、お沙汰を待つしかないわね。最悪、花園会除名かしら…」



「「か…かきつばたさま…」」


「身から出た錆、(でも何か、ちょっと可哀想かも…)」


「自業自得ね…」


「……」





花姫を辞めさせられるかもしれないと泣く2人を見て、蜜柑が口を開く。





「あの…その人ら、花園会やめさすのは、許してあげて欲しいです…」

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作者名:未来 | 作成日時:2023年3月24日 23時

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