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皆が驚きを隠せない中で蛍は気にする事なく、手紙の中から出てきた紙を読む。
「……“花園会”?」
“花園会”からの招待状だった。
あれ。あの手紙、何処かで。何処だっけ。
思い出そうと頭を傾けた時に、視界の端に翼くんと美咲ちゃんが見えた。
「よ──、蜜柑!」
「ハッピーバースデー♪」
「翼先輩っ、美咲先輩っ!」
「初詣ついでに誕生日祝いに来てやったぞ──」
翼くんはプレゼントを取り出して、蜜柑へと差し出す。
2人がお祝いに来てくれた事とプレゼントを貰えた事でテンションが上がった蜜柑は、2人に抱きついてお礼を言ってる。
「フッフッフッ、もひとつプレゼント。
こっちはお前じゃなくて。
ホレ。ベア!ゴネてないで出てこい」
翼くんの着物の袖から出てきたのはベアだった。ベアはむすっとした顔を見せると、翼くんの手から下りた。
「アハハ。
よーちゃんにいっぱい遊んでもらえよ、ベアー」
「実は年末、要ちゃんのお見舞いに行ってさ。
Aの他にもクリスマスに、ベアに友達(らしきもの)ができたっつったら、要ちゃんすげー喜んでさ」
近くにいた陽一くんが直ぐに反応した。陽一くんに追いかけられるベアを見て、要くんの笑顔を思い出した。
「…えへへっ、要くんの笑顔っ、」
思い出しただけでも顔が綻む。陽一くんとベアに混ぜてもらって3人で笑い合った。
翼くんと美咲ちゃんがホンワカした顔であたし達を見ていたなんて知らなかった。
「ねーねー、“初詣”って何のこと?」
「学園に神社なんてないゾウー」
「あーそうそう!ウチもそれ聞こうと思っててん」
心読み君とキツネ目君が翼の袖を引っ張り、質問する。興味を示した蜜柑達も翼の話を聞きに来た。
しかし何故か、翼の代わりに委員長が説明をすることになった。
「えっと!
アリス学園の“初詣”は、いわゆる一般的な神社にお参りするような、ちゃんとしたものじゃなくて。
元旦だけ初等部に潜在クラスの占い系のアリスの人達が集まって、巫女姿で新年占い所をつくってるんだ 」
「巫女さん!?」
「いいよな、巫女…」
「いいねー」
「そこに行くことをいつの間にかみんな“初詣”って言うようになっちゃって」
「そーいえば、音無さんいないねー」
「……じゃあ、音無さん。新年早々、巫女スタイルであの踊り、踊ったりするんや…」
「蜜柑ちゃん…」
「その事については、言っちゃだめ…」
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未来(プロフ) - てあさん» 嬉しいお言葉、ご愛読いただきありがとうございます。 (2023年3月24日 22時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
てあ(プロフ) - すごく面白くて大好きです。 (2023年3月24日 3時) (レス) @page50 id: 0608e9eaca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2023年1月11日 19時