番外編 ページ12
夜になり、真っ暗な部屋に陰鬱とした雰囲気が流れる。
「っ…はあ…」
真っ黒になりつつある右手。黒い刻印はどんどん広がっていた。鎮痛剤を飲んでも痛みは治まらない。
あなた
このままだと長生きできませんよ
暗闇の中であの時言われた言葉が鳴海の脳裏を掠めた。
「…まったく。
どんな“病”を吹き込んでくれたんだか…………」
薬で抑えても、右手の病は進行しつつある。知られてはいけない。あの子に。
鳴海先生っ!
あの子は、Aちゃんは優しいから。
僕の病を治そうとして、きっと
杏樹…ごめんね
守ってあげれなくて、ごめんね……
「裏切りの代償か…
これは少し高くついちゃったかな…………」
呟いた言葉は、誰にも届かないまま、暗闇に溶け込んでいった。
──前回の大掃除中、昔のアルバムを見つけた特力共。
実は掃除をサボって昔話したりしてたのですが、ページの都合上、止むなくカット。
今回はその模様をお伝えしようと思います…
「なあなあ。そういえばみんな、この学園に入学したの何歳の時?」
「
掃除をせずに未だにアルバムを眺めていた。蜜柑のその言葉に皆が首を傾げた。
「ハイハ──イ!!
うちは──、10歳の時で──す!ちなみに蛍もっ!」
「知ってるし…みんな」
「自らの問いに、真っ先に自分が答えてるし…」
「まあまあ、バカなんだし………」
やはり彼女は馬鹿で間違いないだろう。一番最近で入学したのが蜜柑だ。そんな事は誰もが知っている。
「翼先輩は?」
「ん──俺?そーいや、結構チビん頃からここにいるなー何歳だっけか」
何歳か思い出そうとする翼に、美咲が声をかける。
「お前とあたし、同じ頃くらいに
「よーちゃんと同じ年くらいから!?
すご───いっっ!」
「?、何がすごいんだ?
こいつもあたしも、「影使い」と「ドッペルゲンガー」で、物心つく前からもう「アリス」だって事、周囲にバレバレだったんだよ。隠すまもなく」
「アリスって事が学園に知られるのが早ければ早い程、入学した年も早いのは当然だろ」
「そっ、か…」
「小さい頃からここに…」
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未来(プロフ) - てあさん» 嬉しいお言葉、ご愛読いただきありがとうございます。 (2023年3月24日 22時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
てあ(プロフ) - すごく面白くて大好きです。 (2023年3月24日 3時) (レス) @page50 id: 0608e9eaca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2023年1月11日 19時