*9 ページ10
Aの戦いにおいての持ち味は、何と言っても早さだ。女性であるが故の華奢な体格を生かした戦術をAは熟知している。
「(4人なら、囲むようにして仕掛けてくるはず。そうなれば、そこをかわして隙をつく)」
案の定、ファデュイの四人は示し合わせたかのようにAを囲むようにして突撃してきた。そこをひらりとかわすA。その後は言わずもがな、Aの早さを生かした連撃であっという間に4人はなぎ倒された。
どさっと大男4人が倒れる音がする。Aは少しだけ呼吸を整えてから、「いかがでしょうか」と「淑女」に問う。
「ふふ、もちろん合格よ。その強さなら、補佐としての仕事もこなせそうね」
「補佐…」
「そうね…。「公使」の補佐をやってもらおうかしら」
「公使…。」
色々と理解が追いつかない。「公使」とは誰なのか。補佐の仕事は何なのか。聞きたいことが沢山ある。口を開きかけた時、「淑女」はまるでAの考えていることが分かった上で先回りをしたかのように告げた。
「質問なら彼にしてちょうだい」
「…」
Aは思わず黙り込んでしまった。「淑女」が面白そうに笑っていると、ゆったりとした足音と共に声が聞こえてきた。
73人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽの | 作成日時:2022年2月2日 1時