‘‘笑顔’’で送り出すと決めたから【探偵チームKZ事件ノート】

いつもの帰り道で ページ5

それから私と若武君はほぼ毎日一緒に帰るようになった。

同じ方向に帰る人が全く居ないっていうのもあるけどね。

今日も一緒に帰るんだ。

「お待たせ。行こっか」

「う、ん」

え、なんでそんなにぎこちないの？

私はそんなことを思いながら歩いた。

しかも、今日はシーンとしている。

いつもはワイワイしながら歩いてるんだけどな。

何かあったのかな？

私は、この雰囲気が嫌だったから、聞いてみることにした。

何かあったなら、相談に乗ってあげたいし。

「何か、あったの？」

すると、若武君はどんどん顔を赤くしていく。

えっ、なになに!?

「あ、あのさ！」

若武君は立ち止まって私の方を向いた。

「俺と！」

俺と？

「付き合ってくださいっ！」

あーっ！

「そんなことなら全然...って、えっ!?それはつまり、私が若武君と付き合うっていうこと!?え、え、え!?」

冷静を取り戻せっ！

「ダメだったら、このこ、」

「そんなわけないじゃんっ！わ、私だって、わ、若武君のこと、好きだよ！だから、だから...」

「「付き合ってください！」」

「あっ、フフフ」

「ハハハ...」

「よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

「じゃあ、帰ろっか」

こうして私たちは中1の春、付き合うことになった。

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