【現パロ金カム】紅影 (ページ14)

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第十二話･？？？ページ14

「そう言えば、君の名前は？
どこかで聞いたような気もするけど·····」

「·····」

そう言うと、少女は火がチラチラと映り込む瞳でこちらを見つめて答えてくれた。

「小蝶辺明日子だ。」

「小蝶辺·····明日子？なんか、どこかで」

そして、その少女とその子の服装と、この場の環境でやっと思い出した。

この子は一度、いや、二度あったことがある。
夢の中で一度_______

「まぁ、今はそんな事より腹が減ってるだろ？食え」

少女はそう言うと自分に汁の入った、器と箸を自分に渡してきた。

杉元は不思議そうにそれを受け取る。
汁物は何かの肉が入っており、ほんのりと味噌の香りが漂っていた。

「ありがとう。
えっと、これは君が作ったものなの？」

「あぁ。リスの肉のオ·····汁物だ。
少し食べにくいかもしれないけれどな」

「へぇリスの·····。初めて食べるなぁ
本当に助かるよ。まだ夕飯なんで食べてないもので。じゃあいただきます。」

杉元はその汁物を口にした。
リスの肉を食べるのは初めてなものだが、予想以上にそれは美味しかった。

「ん！美味しい·····ッ！
いつもコンビニなもんだから、久々にこんなに美味しいものを食べた·····」

「ふふ、そうかそうか。まだまだあるぞ！
たんと食え！」

杉元はそう感動を口にして箸を進める。
明日子も同じように手を進める。

「ヒンナヒンナ」

杉元が横目で少女を見ると、明日子は不思議な動きと共にそう言った。

「なんだいそれ？」

「私の一族に伝わる食べ物に感謝する言葉だ」

「へぇ。そうなんだ」

今でもそう言うモノがあるのだと思ったが、今は感謝することしか出来なかった。