不屈の羽【ゴールデンカムイ】参 (ページ45)

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45話　殺しの匂い（4）ページ45

少しの沈黙の後。

二瓶「いいだろう。谷垣・・・縛るものを投げろ」

　「谷垣よ・・・その子らを連れて行け。
悲鳴が届かないくらい遠くへ」

俺達三人を木に縛り付けると二瓶がそういった。

アシﾘパとアンケシさんが叫ぶ。

アシﾘパ「やめろ殺すなッ」

アンケシ「杉元ニｼパ！！白石！！A！！」

二瓶が余所見をしている隙に・・・。

白石「一丁上がり！」

杉元「A！」

杉元と白石が素早く立ち上がり俺の手を引く。

杉元「やっぱお前体調不良起こしてんな！？」

白石「無理すんなよ松崎！！・・・つーか二瓶のヤツお前まで殺す気だったのかよ」

A『二瓶は金塊に興味がないみたいだな』

それよりもいまはアシﾘパとアンケシさんだ。

白石「どうすんだ？こっちは丸腰だぞ！？」

杉元「隠れて近づきやつらの隙を突いて・・・アシﾘパさんとアンケシさんを取り戻す！！」

A『二瓶が追いつく前に・・・急ぐぞ』

ーー
何処からかシロが飛んできた。

A『シロ！！谷垣を探せッ』

シロが力強く翼を動かす。

二瓶「谷垣！！さんにんが逃げたぞぉ」

後方で二瓶の叫び声が聞こえてきた。

早く・・・見つけなくては。

杉元「にしても松崎・・・お前、体調悪かったんならもっと早くに教えてくれないか」

A『・・・悪かったって。だけど』

白石「ほっっんとそうだよな！！
もし二瓶が金塊を狙う囚人だったら弱ってるお前を何としてでも手に入れようとするぞ」

　「抵抗できる力も無さそうだから病人はのんびり休んでればよかったんだ！！」

白石がポツリと「そうすりゃ俺は看病をこじつけに残れたのに」と呟いた。

杉元「テメエ・・・まぁ・・・いい」

　「走るのがキツかったら俺が肩貸してやっからいつでも頼ってくれよ。A」

A『・・・・・・おう』

杉元がニッと笑った。

杉元「さあ！アシﾘパさんとアンケシさんを取り戻して囚人をとっ捕まえてやろう」

俺たち三人は谷垣を追う。

アンケシさんとアシﾘパ。

無事なら良いがもし・・・あの子たちに傷一つつけたら。

俺と杉元で谷垣の息の根を止めてやる。

ズタズタに・・・・・・食いちぎってやる。