45話 殺しの匂い（1） ページ42
アシﾘパ「昨日私たちが鹿を獲ったあたりだ」
少し進んだ先で狼煙がたっているのが見えた。
恐らく、二瓶と谷垣の作戦が始まった。
アンケシ「狩りをする上で大切なのは相手の立場と自分を重ねること」
「私ならどうするのか・・・私があの二人なら」
アンケシさんが俺たちを見つめた。
アンケシ「片方がその場に残りもう片方が姿を隠す。好奇心旺盛なレタﾗなら後をついて来るだろうから狼を足止めさせようと考える」
アンケシさんが俺の飯盒を指差していった。
アンケシ「頃合いを見て、レタﾗの興味が惹きつけられるものを置く」
アシﾘパ「地鼻を使うことに気を取られていれば頭上は鈍感になるはずだからな・・・」
まだシロは安全。
この間に二瓶らを
杉元「いた・・・」
怪しい人影が何かを待ち構えている。
白石「こっち向かねえと顔が確認できねーな」
A『俺たちはもう少し近寄ってみる』
アンケシさんとアシﾘパが別の方向に進んでいった。
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アンケシSide
アンケシ「アシﾘパ！」
アシﾘパが私の顔を見つめる。
アンケシ「あそこ！レタﾗがいるぞ」
途端にアシﾘパの表情が焦りを帯びた。
アシﾘパ「レタﾗ！！出てきちゃダメ！！」
急いで弓を構え飯盒に狙いを定める。
アシﾘパ「間に合えッ」
私よりも先にアシﾘパが矢を放った。
アシﾘパの矢は真っ直ぐと飯盒に突き刺さり、
次の瞬間二瓶ニｼパが放った弾がレタﾗの毛を掠めた。
アンケシ「やったな！！」
アシﾘパ「ああ・・・レタﾗのほうは一先ず安心だな」
アシﾘパがフゥと息をついた。
谷垣「邪魔をしたのはお前たちか・・・」
アンケシ「！！」
私とアシﾘパが同時に振り返る。
確か、この人は・・・谷垣ニｼパだ。
アンケシ「これでレタﾗも居なくなった。
Aと杉元ニｼパが二瓶ニｼパの相手をする。
終わりだ。引いてください」
谷垣「荷物を地面におろせ」
アシﾘパ「やめろッ！！諦め―――」
私の眉間にゴリッと拳銃の口が当てられた。
アシﾘパがそれに戸惑い先の言葉を飲み込んだ。
谷垣「お前らには人質になってもらう」
アンケシ「ふざけるな！！」
谷垣「こっちの娘を先に殺すぞ」
アンケシ「っ」
谷垣ニｼパが私とアシﾘパの手を縛り付ける。
アシﾘパ「杉元と松崎に敵うと思うなよ？
アイツらは殺し慣れてるぞ」
アシﾘパの言葉を谷垣ニｼパは無視した。
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作者名：白文鳥 | 作成日時：2020年9月27日 22時
