検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:22,692 hit

40話 喰い違い(3) ページ26

白石「なに?オソマ?」

一応食事中なので黙っておいた。

杉元「アシリパさんアンケシさん実は・・・・・・桜鍋には味噌が欠かせないんだよ!!」

白石「アシリパちゃんとアンケシちゃん味噌が嫌いなの?」

杉元「嫌いというかうんこだと思ってる」

白石が楽しそうに笑う。

白石「うんこ?アイヌと和人の違いなのかねぇ?意外な部分で分かち会えなかったりするんだな」

アンケシさんがジトリと俺を見る。

A『・・・作り直すか?』

杉元が小さく頷いた。

杉元「すまんすまんアシリパさんアンケシさん。
肉はまだある。味噌なしで作り直そう」

アンケシ「いや。平気だ」

え?

アンケシさんがぷるぷると箸を握り口元に肉を運ぶ。

A『・・・アンケシさん?』

アシリパも同じように奮闘している。

そして。

二人の少女はおそらく人生初、味噌を口に入れた。

アシリパ「オソマ(うんこ)おいしい」

アンケシ「ヒンナ!オソマヒンナ!」

杉元が涙を流す。

杉元「うんこじゃねっつーの・・・」

白石「何だかわからんねーけど気に入ったみてえだな」

アシリパ.アンケシ「ヒンナヒンナ」

杉元「ヒンナだぜ」

アシリパ「オソマおかわり!」

アンケシさんが顔を綻ばせる。

A『美味い?』

アンケシ「とってもヒンナだ!うまい!オソマ」

A『うんこって言わないでくれる??』

アンケシさんがハッとして俺を見つめる。

アンケシ「杉元ニシパのオソマは確かにヒンナだ。じゃあ・・・Aは?!」

A『・・・・・・うん?』

アシリパが俺を物凄い勢いで見た。

アシリパ「確かに!松崎のオソマは違うって話をしていなかったか!?」

えっと・・・。

A『白味噌だけど・・・食べる?』

アンケシさんとアシリパがコクコクと頷いた。

白石「二人ともすっかり味噌好きだねぇ〜」

A『・・・どうですか?』

アンケシ「モクモグ・・・ゴクッ ヒンナぁぁぁぁ」

  「Aのオソマは杉元ニシパのオソマよりもヒンナだァァァ!!!」

A『うんこじゃないから!!』

アンケシさんが次々と口にモノを詰める。

アシリパもそれに続く。


もうすっかり、味噌っ子になったか。

40話 喰い違い(4)→←40話 喰い違い(2)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
34人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:白文鳥 | 作成日時:2020年9月27日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。