40話 喰い違い(3) ページ26
白石「なに?オソマ?」
一応食事中なので黙っておいた。
杉元「アシリパさんアンケシさん実は・・・・・・桜鍋には味噌が欠かせないんだよ!!」
白石「アシリパちゃんとアンケシちゃん味噌が嫌いなの?」
杉元「嫌いというかうんこだと思ってる」
白石が楽しそうに笑う。
白石「うんこ?アイヌと和人の違いなのかねぇ?意外な部分で分かち会えなかったりするんだな」
アンケシさんがジトリと俺を見る。
A『・・・作り直すか?』
杉元が小さく頷いた。
杉元「すまんすまんアシリパさんアンケシさん。
肉はまだある。味噌なしで作り直そう」
アンケシ「いや。平気だ」
え?
アンケシさんがぷるぷると箸を握り口元に肉を運ぶ。
A『・・・アンケシさん?』
アシリパも同じように奮闘している。
そして。
二人の少女はおそらく人生初、味噌を口に入れた。
アシリパ「
アンケシ「ヒンナ!オソマヒンナ!」
杉元が涙を流す。
杉元「うんこじゃねっつーの・・・」
白石「何だかわからんねーけど気に入ったみてえだな」
アシリパ.アンケシ「ヒンナヒンナ」
杉元「ヒンナだぜ」
アシリパ「オソマおかわり!」
アンケシさんが顔を綻ばせる。
A『美味い?』
アンケシ「とってもヒンナだ!うまい!オソマ」
A『うんこって言わないでくれる??』
アンケシさんがハッとして俺を見つめる。
アンケシ「杉元ニシパのオソマは確かにヒンナだ。じゃあ・・・Aは?!」
A『・・・・・・うん?』
アシリパが俺を物凄い勢いで見た。
アシリパ「確かに!松崎のオソマは違うって話をしていなかったか!?」
えっと・・・。
A『白味噌だけど・・・食べる?』
アンケシさんとアシリパがコクコクと頷いた。
白石「二人ともすっかり味噌好きだねぇ〜」
A『・・・どうですか?』
アンケシ「モクモグ・・・ゴクッ ヒンナぁぁぁぁ」
「Aのオソマは杉元ニシパのオソマよりもヒンナだァァァ!!!」
A『うんこじゃないから!!』
アンケシさんが次々と口にモノを詰める。
アシリパもそれに続く。
もうすっかり、味噌っ子になったか。
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作者名:白文鳥 | 作成日時:2020年9月27日 22時