15話 北鎮部隊（3） ページ8
ASide
シロが道案内をしてくれた。
いっそのこと、烏と手を組んだほうがいい気がする。
アンケシ「・・・悪かったな」
アンケシさんが不機嫌そうにそう呟いた。
杉元たちは、森の奥に居た。
A『！！ ひゃ――』
尾形「第一師団の杉元。【不死身の杉元】か」
・・・杉元って有名人だったっけ。
百が一瞬、俺に目を向けたがフイッと逸らして杉元の目を潰した。
杉元「痛ってぇ」
よく見ると、百の腕が折れている。
尾形「この状況で【不死身の杉元】は手に負えん。片腕だけに」
「【不屈の松崎】と手を組んでいるとは」
A『・・・おい！百ッ』
杉元「伏せろッ！！」
伏せろ・・・！？
急いで地面に伏せると、後ろから銃が飛んできた。
アンケシ「落ちる」
杉元が百の後頭部に銃を投げつけたのだ。
杉元「あ・・・・・」
崖下でグシャッという音がした。
プツン―――と、何かが切れた音がした。
杉元「・・・・・・・逃がせば俺たちがやつの仲間に追われる。これでよかったんだ」
アシﾘパ「【不死身の杉元】どういう意味だ？」
アンケシ「【不屈の松崎】・・・Aのことか？」
杉元「俺たちが戦争で学んだ死なない方法はひとつさ。殺されないことだ」
「アシﾘパさん、アンケシさん。
俺たちは殺人狂じゃない」
「・・・・・でも殺されるくらいなら躊躇せず殺す」
「弱い奴は食われる。どこの世界でもそれは同じだろう？」
アンケシさんが伏せたままの俺を覗き込む。
アンケシ「どうした？静かになって」
A『おい』
杉元が俺を立たせようと手を伸ばす。
A『今日がお前の命日だ。杉元・・・』
杉元「・・・え？」
思い切り杉元の手を引き地面にへと投げる。
杉元「うおお！？」
アシﾘパ「！？」
素早く銃剣を抜き杉元に向けて突き刺す。
アンケシ「わぁ！待て待てッ」
アンケシさんが俺を押さえつける。
杉元「何しやがるッ！！」
こっちの台詞だ！！
A『このクソ野郎！サの字！筋肉ダルマ！』
杉元「なにぃ？！この烏ヤロウ！！バーカッ 鳥男！！」
アンケシさんとアシﾘパが止めに入るも乱闘は数十分続いた。
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作者名：白文鳥 | 作成日時：2020年9月19日 20時
