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26話 子熊(1) ページ36

ASide
何があったかちゃんと見てなかったけど。

酷いなここ・・・。

血生臭い。

A『杉元。生きてるか?』

杉元「Aか!」

杉元がズリズリと巣穴から出てきた。

杉元「フゥゥ・・・」

子熊を連れて。

杉元「【ヒグマは巣穴に入ってきた人間を決して殺さない】」

  「アシリパさんが言っていたことは本当だったみたいだ」

杉元が俺を見つめ呟いた。

杉元「Aが【巣穴に入れ】って言ってきたときは焦ったぜ」

A『仕方ないだろ。歴戦の兵士相手に一人じゃ勝てねぇ。なら本物の猛獣を使うしかない』

  『杉元が巣穴の中で殺られたらどうしようかと思った』

杉元がニヤリと笑う。

杉元「俺が死んだらどうしようって思った?」

A『・・・・あぁ』

杉元が驚いた顔を俺に向ける。

A『杉元が死んだら、俺は後悔してたよ。多分』

杉元「・・・へへっそっか」

杉元が空を見上げて言う。

杉元「アシリパさんとアンケシさんはうまく追っ手をまいたかな?」

さあな・・・。

杉元「お前の母ちゃん死んじまってほっとけねえから連れてくけど・・・アシリパさん。
お前をチタタプにして食っちまうかもな」

杉元と二人でアシリパとアンケシさんの基に向かった。

ーー

杉元「アシリパさーん」

アシリパは無事。アンケシさんも合流しているみたいだ。

シロが俺の肩にとまった。

A『お疲れ様シロ』

シロが嬉しそうに「ガア」と鳴いた。

・・・狼??

杉元「良かった。無事だったか。あ・・・あの時の白いオオカミだ」

杉元が外套の下に隠した子熊に声をかける。

杉元「いいか。静かにしてろよ。アシリパさんたちに見つかるぞ」

子熊が小さな声で鳴く。

アンケシさんが杉元の外套をガン見している。

白い狼は走り去って行った。

・・・!

A『谷垣』

杉元「そこの兵士はオオカミが?」

A『死んでるのか?』

アシリパが答える。

アシリパ「・・・・・行こう。もう死んでる」

アンケシさんが呟いた。

アンケシ「杉元ニシパ。それどうしました?」

・・・あ。

杉元「やああああッ」

子熊が杉元の外套から出てしまったようだ。

杉元が急いでアシリパとアンケシさんに背を向ける。

杉元「これは何でもないッ関係ないッ」

アシリパ「杉元杉元ォ。もう一度よく見せてみろよぉああ?その子熊どうするつもりだぁ?」

杉元が子熊を庇う。

杉元「こいつは俺が面倒を見るッ母親代わりになるんだあ」

26話 子熊(2)→←25話 説教(3)



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作者名:白文鳥 | 作成日時:2020年9月19日 20時

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