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24話 窮鼠(5) ページ32

杉元Side

野間「止まれ」

ギリギリ松崎に言われた場所にまでは連れてこれたか。

岡田「銃を捨てろ」

野間「腰の銃剣もだ」

玉井「なぜ逃げる?」

・・・・・Aの作戦に入るか。

杉元「なぜって・・・あんたら密猟者を捕まえに来たんだろ?」

  「禁止されてる鹿を撃ってたんだ。このあたりの山に詳しいアイヌのガキに案内させてな」

・・・どうだ。

岡田「うーん・・・」

玉井「まぎらわしい」

上手く行ったか??

玉井「我々の仲間が近くで襲われたのだ。
怪しい奴を見なかったか?」

  「例えば・・・青黒い瞳の兵士とか・・・」

やっぱりAを探している。

杉元「さあ。誰にも会ってないね」

このオッサンは騙せ―――。

野間「その顔・・・旅順の野戦病院で見たことがある」

・・・!!

野間「第一師団にいた杉元・・・【不死身の杉元】だ」

岡田「不死身の杉元?こいつがあの・・・」

玉井「【ふじみ】。尾形上等兵を襲ったのはきさまだな?杉元」

やべぇ作戦は失敗か・・・。

こうなったら・・・背後の()に入るしか・・・。

Aが言っていた。
もしも連中と戦う羽目になりそうになったら。

〃覚悟を決めろ〃と。俺は不死身だから―――。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ASide
追手は玉井伍長と野間上等兵に岡田上等兵か。

百と仲が良かった(?)奴らだ。

百の仇討ちってところか。

玉井伍長と岡田上等兵はともかく野間上等兵は俺を嫌っていたっけ。

なかなか敵視されてたな。


・・・で杉元が窮地に立たされ始めた。

A『玉井伍長の頭を撃ち抜くか・・・杉元に指示を出すか』

引き金を引いたほうが早いだろうが。

A『不死身なら・・・いけるよな』


「【わかった。Aの作戦を信じよう】」


信じるっていう言葉が嫌いだ。

その言葉を聞いただけで、俺は恐怖を覚える。

俺の作戦で命を落とすかもしれないってのに・・・あんな眼差しを向けてきた杉元が。

眩しくて、純粋で、重かった。

俺みたいな人間を信じた者は皆・・・俺より先に死んだ。


「【わた・・・し・・・】」


A『・・・・・・・』

忘れろ。

思い出すな。

俺は・・・。


杉元「チクショウ!俺は不死身だああッ!」


え、嘘。

アイツ・・・・入った??

A『マジか・・・』

玉井伍長が杉元が入っていった巣穴に向けて銃を構え始める。

これは・・・玉井伍長を撃って―――。

ダァァァァン―――!!

25話 説教(1)→←24話 窮鼠(4)



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作者名:白文鳥 | 作成日時:2020年9月19日 20時

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