211話 ユルバルス（2） ページ8
ASide
アンケシ「あのときソフィアが怒っていたのは・・・」
「ソフィアは全部知っているかも」
アンケシさんはそういって眉をひそめる。
なんだか、アンケシさんが大人っぽくなった気がする。
・・・子供の成長は早いっていうもんな。
月島「谷垣撃て！！」
月島軍曹の声が聞こえた。
反対側から杉元たちの姿が見える。
俺が杉元に向かって手を振ると杉元が笑顔で応えた。
白石がいるし、アシﾘパとも合流できたみたいだ。
アシﾘパ.アンケシ「「待って！！」」
いつの間にかアシﾘパとアンケシさんがキロランケに走り寄っていた。
谷垣「アシﾘパ・・・アンケシ・・・」
アシﾘパとアンケシさんが横たわったキロランケの傍に座り込んだ。
アンケシ「聞かなきゃいけないことがある！！」
アシﾘパ「撃つな！！」
月島軍曹は構わず銃を向けた。
月島「どけッ そいつは手負いの猛獣だ！！」
アシﾘパ「離れてッ 殺したらわからなくなる！！」
アンケシ「殺さないで・・・頼むからッ」
A『月島。銃を下ろすんだ』
『これは上官命令だ』
月島が俺を見つめ、何も言わずに銃を下ろす。
キロランケが口を開いた。
キロランケ「逃げるぞ・・・アシﾘパ アンケシ」
キロランケがアシﾘパとアンケシさんに何かを話している。
が、声が小さすぎて何も聞こえない。
白石「・・・キロちゃん」
アンケシさんがアシﾘパと目を合わせ頷き、キロランケの耳元で何かを囁いた。
キロランケはそれを聞くと驚き、ふたりの顔を見つめた。
アンケシさんが、寂しそうに微笑み「ありがとう」と呟いた。
キロランケ「あとは頼んだぞ。アシﾘパ・・・
アンケシ・・・！！」
「【俺たち】のために・・・ソフィアと・・・」
最後に、キロランケと目があった。
キロランケは俺を視界に入れると、目を見開き、「生きてたのか」と呟いた。
その顔はひどく穏やかで、優しい目をしていた。
アシﾘパ「キロランケニｼパがアチャを殺したというのは本当か？」
アシﾘパがキロランケを見つめる。
アンケシさんがキロランケの手を掴み、問いかけた。
アンケシ「アチャを殺したのに・・・【道理】はあったのか？」
アンケシさんの眼に涙が滲み始める。
アシﾘパとアンケシさんは動かなくなったキロランケの名前を呼び続けた。
A『・・・・・・アンケシさん』
アンケシさんが涙を拭う。
そして、ゆっくりと立ち上がると俺の隣に帰ってきた。
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白文鳥 - ととさん» 嬉しいお言葉を有難うございます！訳あってこの作品はpixivにお引っ越ししました。励みを有難う御座います！そちらの方で頑張ります！ (2022年1月8日 19時) (
レス) id: 50fca864bb (このIDを非表示/違反報告)
とと - ここまで一気に読み進めてしまいました。続きが読みたくて、急いで単行本を読みました笑 主人公と周りとの距離感がたまらなく好きです。 (2021年6月24日 22時) (レス) id: 2c3ad1893b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白文鳥 | 作成日時：2021年1月18日 21時
