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152話 救世主(1) ページ33

ASide

「【A・・・・場所は――・・・忘れ――・・・お前が導け――・・・】」


いつの間に、気絶していたようだ。

・・・・真っ暗で何も見えねぇ。

A『アンケ、シさん・・・!』

そうだ。

俺は土方に騙されたんだ。

てことは、杉元たちもヤバいだろうな。


早く・・・助けないと・・・。


立ち上がろうと身体に力を入れる。

踵が何かに当たった気がして俺は振り向いた。

予備のマッチを取り出し火をつけて、遺体の確認をする。

髪の色は・・・・。

A『ははッ・・・・・ふざけんなよ』

何故気づけなかったのか、というほどロシア人の容姿とは程遠かった。

髪の色が、金ではなく黒に近い濃い茶色なのだ。


いくら暗かったとはいえ・・・。

自分の無力差に嫌気がさす。

A『・・・クソッ!!ッあ"』

頭痛、目眩。

少し歩こうとしただけで、、、。


A『俺は・・・・・・諦めねぇぞ・・・』

このまま土方に何もできず終われねぇ。

一歩一歩、足に力を入れて扉のもとまで来た。


何度、扉に手をかけてもビクともしない。

A『ははッ・・・やっぱやられてますよね』

俺が追いかけてくると見越しての行動だろうし・・・。



耳を澄ますと、人の足音。

照明弾の音。

銃声。


出たところで捕まるのがオチか・・・。

いや、いっそのこと開けてくれるのなら誰でもいいや。

俺は思い切り壁に体当たりをした。

少しでも大きな音を立てなければ・・・。

せめて、通りすがりの誰かに聞こえるほどの。


煉瓦に身体を何度もぶつけ、声を出した。

A『はぁ・・・はぁ・・・クソ』

あまりにも外が騒がしいせいで、誰にも聞こえないんだ。


どうしたら良い?

床の穴を掘って這い出るか?

でも、時間が掛かるし、土方に蹴られたせいで身体が痛む。

なるべく悪化させるような真似はしたくない。


だからといって、他に脱出する方法は・・・。

白石「松崎!!松崎どこだ!?」

A『・・・白石??』

白石の声がした気が・・・。

白石「痛だだ!!シロちょっと噛み付くなって!!」

・・・シロが白石を連れてきてくれているのか?

A『白石!!俺はここだ!!』

白石「松崎!!え?そっち・・・??」

  「壁を叩いて音を立てるからいるなら返事しろよ!!」

白石がそう言った直後にガンッと音がなった。


俺は思い切り壁を蹴りつけた。

白石「!! ここか!?ここに居るんだな!?」

俺は『あぁ!』と返事をした。

152話 救世主(2)→←151話 本物(3)



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作者名:白文鳥 | 作成日時:2020年12月22日 23時

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