不屈の羽【ゴールデンカムイ】玖 (ページ27)

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149話　新月の夜に（2）ページ27

俺と杉元は即座に看守の顔面を殴りつけた。

キロランケ「いきなり見つかってんじゃねーか」

牛山とキロランケが様子を見てたらしく飛び出してきた。

ふたりが看守を回収している間、俺達は一気に都丹を責めだした。

白石「都丹てめぇ耳糞つまってんのか！？」

杉元「聞き逃してんじゃねえよバカ野郎」

A『補聴器変えろッジジイ！！』

都丹が好き放題いう俺達に言い返した。

都丹「うるせぇ！！テメエらこそランプの灯りを見逃してんじゃねぇか！！」

アシﾘパとアンケシさんが騒ぎ立てる俺達に静かにするように促す。

アンケシ「私もシロも気づけなかった。
誰のせいでもない」

キロランケ「ここはいいから行けッ」

キロランケの一声で俺達は再び列に戻り進みだす。

・・・なんともまぁ幸先が悪い。

ーー
不安が溜まる一方で俺達はのっぺら坊がいる五翼放射状平屋舎房についた。

ここから俺とアンケシさんは別行動に入る。

杉元「それじゃ・・・あとでな。A」

A『わかってるよ。杉元』

アシﾘパ「アンケシ・・・無事でな」

アンケシ「アシﾘパもね」

シロが勢い良く飛び立った。

アンケシさんが耳を澄ませ俺の手を引いて走り出した。

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五翼放射状平屋舎房に潜入する方法を話している途中で門倉は俺とアンケシさんに言った。

門倉「で、お前たちはどうすんだ？」

A『そういやロシア人は何処にいるんだ？』

門倉「煉瓦造り独居房・・・懲罰房とか鎮房とか・・・色んな呼ばれ方があるな。本来なら規則違反者を閉じ込めるためのものだが」

　「金塊の場所を知っているもうひとりの存在・・・というわけでロシア人はそこに閉じ込められているのさ」

会いに行くのはそこまで大変じゃなさそうだ。

門倉「この独居房には窓がなく扉は二重。しかも煉瓦の壁の厚さは、40cm以上ある。
のっぺら坊程では無いが時間も手間もかかるだろうよ」

ふーん。それなら・・・。

A『門倉が小細工しといてくれよ』

　『離れにあるならやりやすいだろ？』

門倉「無理だな。舎房の当直をするのに行けるわけ無いだろ。遅刻したら怪しまれるし」

A『煉瓦壊せるようなものないのか？
ハンマーとか貸してくれたら無理矢理・・・』

門倉「駄目だ。俺がハンマーを借りたらそれこそ怪しまれる。どこにハンマー持ち歩く看守がいるんだよ」

杉元.A「『・・・』」