123話 ウコチャ・・・(1) ページ10
インカラマッ「四日前のことです。私たちは地元のアイヌの男たちと出会いました」
「あの出来事がその後まさかあんな事態になるとは・・・」
アシリパ「ハンッ!!占い師のクセにぇ?」
アンケシさんがアシリパの口を抑える。
三人は【木に穴を掘るクマゲラの真似】をしている男と出会ったそうだ。
その男は動物がとても好きなんだとか・・・。
インカラマッ「男は姉畑支遁と名のりました。
学者で北海道の調査をしていると・・・」
「チカパシがとてもなついたので私たちも油断しました」
インカラマッが俯く。
インカラマッ「その日は姉畑支遁と一緒に野宿したのですが。翌朝・・・男と共に谷垣ニシパの銃と弾薬が消えていました」
「おそらくその銃が新たな犠牲に使われて・・・・・・」
尾形.A
「『銃から離れるなとあれほど・・・』」
俺と百が同時に呟いた。
白石が続ける。
白石「囚人に学者がいるってのは聞いたことがある。あちこちで家畜を殺して回って牧場主に大怪我させて捕まったとか」
杉元「鈴川聖弘から聞いた情報と一致するぜ。
そいつが入れ墨脱獄囚24人のひとりだ」
A『とにかく犯人は二瓶の銃を持っている。手分けして探そう』
アシリパ「さっきの鹿の死骸が一番新しい犯人の跡だ。行くぞアンケシ!杉元と松崎!」
ーー
白石と百とは別行動をし俺とアンケシさんと杉元とアシリパで犯人を探す。
キラウシ「
「
「
「
アシリパとアンケシさんが呟く。
アシリパ「カムイノミ・・・神様へお祈りしてる」
アンケシ「私たちが住む西の方は鹿をカムイ扱いしないけど東はあんまり獲れなかったから昔から鹿を大切に送る儀式もする」
アシリパ「人間も含め全ての者はカムイと呼ぶことができる。しかしいつもカムイと呼ぶ者は限られている」
「人間ができない事。役立つものや災厄をもたらすものなどがカムイと呼ばれる」
心なしか、アンケシさんの表情が曇った。
出来ない事、力の及ばないもの、厄災。
彼女もそう呼ばれていたのだろうか。
25人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白文鳥 | 作成日時:2020年12月13日 20時