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132話 ラッコ鍋(3) ページ35

キロランケ「松崎・・・お前もなんか今日はカワイイ顔してんなあ。いつもだけどよぉ」

A『・・・ははッ。俺は男だから可愛くねぇよ』

Aは両手で顔をおおい視界を狭くした。

その仕草を見て・・・・。

白石.谷垣.キロランケ
「「「(いやカワイイな)」」」

恐るべしラッコである。


白石「キロちゃんも前よりいい身体になってねえかい?ええぇ?」

キロランケ「そうかあ?どうだ?谷垣ぃ」

谷垣「アス〜〜ッ ス〜〜〜」


徐々に各々が自らの異変に気づき始める。

谷垣「(なんなのだ・・・?この感情!!
抑えきれない)」

白石「(こんな気持ちはじめてだ。どうやって発散させりゃ良いんだ・・・!!)」

尾形「・・・・・」

A『・・・(最悪、百の身の安全だけは確保しなければ)』

杉元がゆっくり立ち上がり、シャツを脱いだ。

杉元「ダメだ。俺・・・もう我慢できねぇ・・・」

身構えるAだが・・・。

杉元「相撲しようぜ」

杉元が提案したのは相撲だった。


A『・・・あ、相撲ですか』

ホッと胸を撫で下ろすA。


安心するとAは尾形の隣に寝転がった。

A『・・・・寝る。寝て忘れる』

尾形「・・・・・」


Aは尾形を抱え込むようにして眠りについた。

勿論、尾形が襲われないようにしているのだ。

いまこの場所にまともな思考回路を持つものがひとりもいない為である。



そして、杉元たちの相撲は終わり・・・。

杉元.白石.谷垣.キロランケ
「「「「ごっちゃんです」」」」

四人は落ち着いたようだった。


ーー
翌日。

白石「なんかバッタどっか飛んでったみたい・・・」

杉元「ああ・・・うん。じゃあそろそろ行こうか」

キロランケ「・・・・・・・なんか盛り上がっちゃったな?なんでだろうな・・・ハハハ」

イソイソと着替え始める杉元と白石とキロランケと尾形を横目にAは扉の外に出た。


杉元「A!」

杉元がAを追ってきたようだ。

杉元「昨日はその・・・噛みつこうとしてごめ――」

A『あれはラッコのせいだ。
おかしくなるのも無理はない・・・と思います』

Aが軍帽を下にさげてくるりと背中を向けた。

杉元「あの、俺の顔みてくんない?」

A『・・・やだ』

杉元がAの顔を覗きこもうとすると思い切り蹴り飛ばされてしまった。

A『・・・・・このことは絶対に誰にも言うなよ。お前ら』


ラッコ鍋は二度と食べないと誓ったAたちであった。

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作者名:白文鳥 | 作成日時:2020年12月13日 20時

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