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129話 亀送り(1) ページ25

アシリパ「白石たちにははぐれたら釧路の街で待つように言っておいた。今頃きっと心配してるはずだ」

杉元「銃も壊れたし修理に出さないとな」

A『銃身に水が入った状態で撃つとはな・・・』

尾形「軍で何を教わったのか」

杉元が百と俺を睨みつけた。

杉元「それはAにも言われたよ!
てか尾形」

  「その最新式の小銃俺が気球乗る時に奪い取ったやつじゃん。返せよ」

A『それは三八式歩兵銃だ』

百が杉元に銃をよ〜く見せた。

尾形「この表尺を見ろ。2400米まで目盛りがあるな?」

  「お前の三十年式は2000米まで」

A『この銃から採用された尖頭弾の三八式実包なら2400米まで弾が届く・・・・・』

杉元「だから何だよ」

尾形「お前が使っても豚に真珠ってことだ」

A『杉元は銃を鈍器にしかしねぇし。
百が使ったほうがこの銃も喜ぶぜ』

杉元「ぐぬぬぬ」

杉元が青筋をたてるが気にしない。

てか、修理に出したら金がかかるだろ。


A『その銃かせ』

杉元「あ」

杉元の手から銃を奪い取る。

杉元「え、なにすんの?」

A『・・・・・』

杉元の言葉を無視して俺は修理を始めた。

杉元「直りそう?」

尾形「Aは集中するとこっちの話が入ってこない。放っておけ」

・・・手元が狂わないようにしてるだけで聞いてますけどぉ。

いい返したいのを堪えながらいじること数分。


A『ほら。杉元』

杉元に銃を返した。

杉元「え!直ったの!?」

A『あぁ』

杉元「ほ ホントに?」

A『うん。直ったよ』

杉元「ありがとな!A」

満面な笑みを向ける杉元に微笑みかけた。

尾形「チッ」


ーー
チセを出ると杉元が谷垣に問いかけた。

杉元「谷垣はこれからどうするんだ?」

谷垣「アシリパとアンケシを無事にフチの許へ帰す。それが俺の役目だ」

杉元が小さな笑みを浮かべた。

キラウシ「出発前に食べていけ。昨日お前らに食べさせるのを忘れてた」

  「ヒグマの肉で作ったカムイオハウだ」


・・・・・・・ヒグマの肉だと?

A『俺腹いっぱいだからパス』

杉元「悪いが急いでる!!世話になったなキラウシ!!達者でな!!」

別に姉畑のアレを意識したわけじゃない。

ただ食って変な欲が湧き上がるのが嫌だから・・・。

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作者名:白文鳥 | 作成日時:2020年12月13日 20時

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