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127話 さよなら姉畑先生(1) ページ20

杉元とAが顔を上げると、ヒグマとウコチャヌプコロをしている姉畑が目に映った。


尾形「なんてこった」

キラウシ「信じられん。みんな見てるか?」

谷垣と尾形を追ったきたアイヌたちもその光景を目にする。


杉元「やりやがった!!マジかよあの野郎ッ」

A『やりやがったッ!!姉畑支遁すげえッ』

杉元とAは地面を殴り、姉畑に感心した。


ヒグマが苦しんでいるのを見てアシリパとアンケシが叫ぶ。

アシリパ.アンケシ「「やめろぉ!!」」


Aが突如、ヒグマに向かって走り出した。

アンケシ「Aッ 丸腰で向かっていってどうするつもりだ!!」

杉元「姉畑先生もう充分だろッ ヒグマから離れろッ」

A『まさか・・・!!』

杉元「勃ったまま死んでる・・・・・」

姉畑がヒグマから振り落とされた。


アシリパ「杉元、松崎何やってる ヤチマナコに飛び込めッ」

杉元.A「俺は不死身だぜッ」

  『俺は不屈だぜッ』

ヒグマの攻撃をふたりして避け、杉元とAがヒグマに毒矢をさしこんだ。

アシリパ「あの矢はさっき私とアンケシが・・・」

アンケシ「二人は最初からヒグマの近くに落ちた矢を拾いに走っていたのか」

毒が効くまで、二人は再びヤチマナコに飛び込んだ。


そして、ヒグマは泡を吐きながら息を引き取った。


ーー
杉元とAはアシリパとアンケシと合流する。

杉元「安らかな顔だ」

アシリパ「ウコチャヌプコロして力尽きるとは・・・蛙みたいな奴だったな」

アンケシが悲しそうに呟いた。

アンケシ「あのヒグマが人を殺してウェンカムイにならずに済んだのが唯一の救いだ」

アシリパ「どうしてこんな馬鹿な真似を・・・熊に殺された人間は熊に好かれて結婚相手に神の国へ貰われていったのだという話もあるけど・・・」

A『そのアイヌの話・・・姉畑は知ってたのかなぁ?』

アンケシ「アイヌに詳しければ知ってたかもな」


杉元が軍帽の位置を直した。

杉元「決死の想いも恋は成熟せず・・・だったってわけか」

アシリパとアンケシが杉元を睨みつけた。

アシリパ「おい杉元!この男を哀れむのか?
やめろ」

アンケシ「姉畑支遁が本当に動物を愛していたならどうして最後に殺すんだ?」

  「姉畑ニシパもどこかで動物とウコチャヌプコロするのが良くないことだと分かっていたんだ」

  「あとになってその存在ごと無かったことにしようなんて・・・本当に自分勝手だ」

127話 さよなら姉畑先生(2)→←126話 頼むよ(3)



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作者名:白文鳥 | 作成日時:2020年12月13日 20時

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