123話 ウコチャ・・・（3） ページ12
杉元「谷垣はそんなことする男じゃない」
キラウシ「知り合いか？」
A『軍をやってた頃の俺の部下だったが・・・谷垣は義理堅く真面目で優しい奴だった。俺も谷垣はそんな奴では無いと思う』
俺と杉元の隣で少女ふたりが唸っている。
やがてアシﾘパが口を開いた。
アシﾘパ「どうしてだ？杉元・・・・・どうしてこんなことを？」
アンケシ「人間が鹿とウコチャヌﾌﾟコﾛしても子供なんか出来ないのに・・・」
・・・・・・・・・。
アンケシ「ましてやオスの鹿とウコチャヌﾌﾟコﾛする意味がわからない」
「オスはメスとしかウコチャヌﾌﾟコﾛしないはずなのに」
「オスとウコチャヌﾌﾟコﾛするなんてどうしてだ？A・・・・・」
杉元「ウコチャヌﾌﾟコﾛ・・・・・」
A『アンケシさん』
とんでもないことを連呼するアンケシさんとアシﾘパに言い聞かせる。
A『コキニンパｼテ・・・世の中には理性を保てない人もいるんだよ・・・』
『あと・・・・・オスとオスでも。
でき・・・ます』
「【逃げるなよ？おまえの父親の為だ】」
A『・・・・・』
こんなとこで、生々しい記憶を蘇らせることになるとは。
アシﾘパとアンケシさんが怒りをあらわにした。
アシﾘパ「無理やりウコチャヌﾌﾟコﾛしてカムイを穢すやつは絶対許さない」
アンケシ「必ず私たちで捕まえてやる！！」
杉元「ウコチャヌﾌﾟコﾛ・・・」
A『おまえ・・・アイヌ語しらないからホイホイと言えるんだからな』
杉元が苦笑いする。
こんな単語を連続で聞くとわかっていたら俺は・・・・アイヌ語なんか覚えなかったのに。
暫くすると見知らぬ子供たちが走ってきた。
子供「キラウシニｼパ！」
キラウシは男の名前だろう。
子供たちがキラウシに小声で何かを話している。
キラウシが俺たちに小さな笑みを浮かべてきた。
キラウシ「犯人が捕まった」
ーー
急いでコタンに案内してもらうと谷垣が小熊の檻に両手を縛り付けられ囚われていた。
なかなか盛り上がっている。
大男「俺達のやり方でこいつを裁くッ」
「鼻と耳と足の腱を切るッ」
大男の意見に大勢が賛成する。
谷垣「待ってくれ俺の話を聞いてくれ」
大男がマキリを握ったまま谷垣の傍に寄った。
俺が何をするか分かってアンケシさんは引き止めてきたが俺はそれを振り払い谷垣と大男の間に入った。
A『
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作者名：白文鳥 | 作成日時：2020年12月13日 20時
