そんな彼も完璧ではない 01 ページ23
疲れている。
目元に濃い隈を作ったトントンを見て、グルッペンはそう思った。
｢トントン、お前、最後に寝たのはいつだ？｣
｢…え？ああ、最後…は、3日か、4日か…うん、そんくらい前やったかな｣
反応が遅れた上に途切れ途切れで話すトントンに、思わずグルッペンは目元を覆った。
人間は眠らなければ脳が正常に働かず、身体の疲労が蓄積され、最悪の場合死に至る。ただでさえ普段から十分な睡眠時間を確保出来ていないトントンが3日も4日も徹夜したとなると、いつ倒れてもおかしくない状態だった。
｢トントン、命令だ。今日1日は寝てろ。しっかり休め｣
｢はあ？まだ仕事は終わって｣
｢いいから休め。お前の分の仕事は俺がやる｣
｢で、でも｣
グルッペンは頑なに休もうとしないトントンに小さく溜息を吐くと、トントンに近付き、その頭に思い切り手刀を食らわせた。
｢い"っ！？｣と声を上げて悶絶するトントンは無視して、グルッペンは話す。
｢体調管理は怠るな。お前が居なくなったら、代わりなんか居ないんやぞ｣
｢！…お、俺の代わりなんか幾らでも｣
｢確かに仕事ならどうにかなるかもしれないな。だが、Aはどうだ？｣
名を出した瞬間、トントンがピクリと反応したのが分かった。
｢Aの親はお前1人だ。お前が居なくなったら、一体誰が代わりになる？俺か？コネシマか？兄さんか？……全員、代わりなんか務まらないだろう。Aにとって一番の特別はお前なんやぞ、トントン｣
そこまで言うと、トントンは黙って立ち上がる。その表情は、どこか諦めたようで、嬉しそうな顔だった。
｢…はあ、分かりましたよ。今日は休む｣
｢うむ、そうしろそうしろ｣
｢期限の決まってる仕事は全部終わらせてあるんで、グルさんはAの世話だけお願いします｣
｢は！？じゃあおまっ、期限に追われてもいない仕事をしてたんか！？徹夜までして！？｣
｢じゃあ俺もう寝るんで｣
驚くグルッペンをまるっとスルーして、仕事人間トントンは総統室を出て行った。
残されたグルッペンが時計を見ると、短針は丁度6を指していた。そろそろAが起きてくる頃である。
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重(プロフ) - 緋彩さん» 緋彩様、コメントありがとうございます。小さい女の子とお兄さんがほのぼのしてるのが好きなんです…可愛いと思ってくださり嬉しいですー！ (2019年1月18日 21時) (
レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - 主人公も可愛いんですが､個人的にショッピ君がにゃーって言ったの可愛い！ (2019年1月18日 20時) (レス) id: 5f8954327f (このIDを非表示/違反報告)
重(プロフ) - 結衣さん» 結衣様、コメントありがとうございます。ふえぇ…嬉しいです…読んでくださりありがとうございました……！ (2018年12月30日 20時) (レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - はえぇ...すごいですぅ...完結お疲れ様です (2018年12月30日 19時) (レス) id: 462408b9f9 (このIDを非表示/違反報告)
重(プロフ) - 杉山さん» 杉山様、コメントありがとうございます。早速見て頂けたようで嬉しいです！大変お待たせしてしまいもしかしたら忘れてしまっていないかと心配しておりましたが、覚えていてくださったようで良かったです…！素敵なリクエストありがとうございましたー！ (2018年12月23日 8時) (レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：重 | 作成日時：2018年7月15日 18時
