喜ぶ顔が見たいから 06 ページ14
｢よし…ここまで来れば大丈夫やろ｣
ゾムから逃げ続けて数分、シャオロンは中庭で足を止めた。
中庭には沢山の花が咲いている。故郷を思い出せるようにと、ひとらんが植えた桜の花も満開だった。
Aは初めて見る光景に目を輝かせ、舞い散る桜の花びらに向かって手を伸ばす。
『あ、お、おはな』
｢おっ、分かるんか！じゃあこの花の名前は知っとるか？｣
『？』
｢これは桜って言ってな、ひとらんの故郷の日本って所ではこの桜を見て春の訪れを感じるんやて｣
シャオロンがそう説明をしてやると、Aは『へー！』という顔で桜を見上げた。
すると、丁度風に舞った桜の花びらがAの開いた口の中に吸い込まれて行った。
驚いたAはペッとそれを吐き出し、その後も次々に舞い降りてくる花びらから逃げようとわたわたと走り回る。そんなAの慌てようを見ていたシャオロンは思わず腹を抱えて笑った。
『！、！？』
｢あっはは！慌てすぎやろ！！｣
涙を浮かべて笑うシャオロンに、Aはむっと唇を尖らせる。
それを見てシャオロンはすぐに｢ごめんごめん｣と謝り、お詫びとでも言うように落ちてきた桜の花をAの髪に刺した。
｢うん、よく似合っとるわ｣
『！あ、う』
｢ん？俺にもくれるんか？｣
Aは手のひらに乗せられた桜の花をシャオロンに向かって差し出す。
どうやらシャオロンの髪にも飾りたいようだ。
そんなAの気持ちを汲み取ったシャオロンはAの身体を軽々と持ち上げ、飾りやすいように肩車の体勢にしてやる。
Aはシャオロンの髪に花を刺すと、満足そうにふふんと鼻を鳴らした。
｢ははっ、お揃いやな！｣
シャオロンが嬉しそうにAの方を向くと、突然背後から痛いくらいに腕を掴まれる。
｢何をいちゃついてるんですかねぇ｣
｢あ｣
そうだ、今は鬼ごっこをしていたんだった。
爽やかな笑顔で腕を掴む手に力を込めるトントンに、シャオロンは苦笑いをした。
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重(プロフ) - 緋彩さん» 緋彩様、コメントありがとうございます。小さい女の子とお兄さんがほのぼのしてるのが好きなんです…可愛いと思ってくださり嬉しいですー！ (2019年1月18日 21時) (
レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - 主人公も可愛いんですが､個人的にショッピ君がにゃーって言ったの可愛い！ (2019年1月18日 20時) (レス) id: 5f8954327f (このIDを非表示/違反報告)
重(プロフ) - 結衣さん» 結衣様、コメントありがとうございます。ふえぇ…嬉しいです…読んでくださりありがとうございました……！ (2018年12月30日 20時) (レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - はえぇ...すごいですぅ...完結お疲れ様です (2018年12月30日 19時) (レス) id: 462408b9f9 (このIDを非表示/違反報告)
重(プロフ) - 杉山さん» 杉山様、コメントありがとうございます。早速見て頂けたようで嬉しいです！大変お待たせしてしまいもしかしたら忘れてしまっていないかと心配しておりましたが、覚えていてくださったようで良かったです…！素敵なリクエストありがとうございましたー！ (2018年12月23日 8時) (レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：重 | 作成日時：2018年7月15日 18時
