神楽の姉の愛されすぎる件について (ページ26)

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第26話ページ26

神威は私の目の前に来ると、勢いよくジャンプし、頭上から傘を振りかざしてくる。そんなことは予測していなかったから、反応が僅かに遅れてしまう。"まずい"直感的にそう思って、目をつぶった。だが、いつまでたっても痛みは来ない。ゆっくり目を開けると、私の大事な彼氏が。神威の傘を受け止めていた。

総悟「Aのバックには俺がついてやす
覚えておきなァ」

そうやって瞳孔が開いた目でそう告げると、神威は"ありゃりゃ"と、さほど驚いてもいないような声で、私と総悟を見つめる。総悟は地面に着地すると、私の方を向いて頬に手を沿わせる。

総悟「大丈夫かィ？」
A「総悟のおかげヨ、ありがとう」

そう言えば真っ赤に染まる総悟の顔に、緊張感が和らいでしまう。神威に目を向けると、見たことのないような優しい目をしていた。

神威「今日はもう、引き上げるよ
Aの幸せそうな顔も見れたし…
幸せになりなよ、A」

普段は言わないセリフをホイホイと言い退け、"次会ったら敵だからね"なんて忠告も忘れない。私がこくりと頷くと、満足げに微笑んで総悟に視線を移した。

神威「お巡りさん、俺の妹をよろしく頼むよ」
総悟「嗚呼」

総悟もこくりと頷くと、神威は素早く姿を消した。状況を理解するのに時間がかかり、しばらくボーっとしていたが総悟に"帰りやしょう"と促されて、我に帰った。

総悟「家族全員に認められやしたぜ」

"俺たちの交際"と続ける総悟は、幸せそうな笑みを浮かべていて、私もつられて微笑んだ。"あ、でも、クソチャイナには、もらってねぇ"と、幸せそうな笑みから、嫌そうな表情をする総悟に私は意地悪したくなって追い討ちをかける。

A「そうアルナ、ラスボスは神楽ヨ」

なんて、笑って見せると嫌そうな顔をしながらも頑張らないと…！と表情を切り替える総悟にたまらず、笑ってしまった。そんな私を見て総悟は目を丸くしていたけど、やがて総悟も笑い出す。それだけ思ってくれているということがたまらなく嬉しかった。神楽と総悟は犬猿の仲だと聞く。それでも、頑張ってくれようとしてくれている所に"あぁ、愛されてるナ"なんて、考えた。

A「大好きヨ！総悟」

そう言った瞬間総悟の顔はトマトのように真っ赤に染まった。

総悟「俺は"愛してやすぜ"A」

そんな総悟の言葉に今度は私の頬が真っ赤に染まった。