第23話 ページ23
更新遅れて申し訳ありませんでした。
これからも読んでくださると嬉しいです。
A「死んでもお前のとこなんか
入らないヨ」
神威「へーえ?ずいぶん強気じゃないか」
貼り付けた笑みに狂気をたたえて、そういう神威…もといバカ兄貴は悪魔のように見えた。私はめんどくさいことになった…と一つ溜息をついた。
神威「最後にもう一度聞く
春雨に来る気はある?」
A「あるわけないだろ!」
私がそう言ったが早いか、神威は私に向かって閃光のように傘を突き出す。私はその傘を素早く避けると、体勢を立て直す。
神威「ふーん、前より強くなってる…」
神威は、冷静に分析するように、品定めするように、見てくる。その目が本当に気にくわない。神楽がこの場にいたら、思いっきり殴りに行くだろう。だが、ここで殴りかかれば、確実に神威の傘に刺されて連れてかれてしまう。少なくとも神楽が銀ちゃんを連れてくるまでは持ちこたえなければならない。
A「おい、バカ兄貴」
神威「バカ兄貴って何〜?
お兄ちゃんだろ!」
怒気を含んだ声でそう言うと、私の方に凄い勢いで突進してくる。まるで猪みたいに。右手で傘を突き出しつつ、左手でかわされた時のためにと、拳の準備もされている。本当に我が兄貴ながら、用意周到だ。私も傘を構え、神威の傘を間一髪受け止めた。それでも、神威の勢いは凄まじいものだった。私が、体勢を崩したところに入る拳。
A「かはっ」
こんな拳を受けたら誰だって吐血するだろう。しかも、お腹に入ったため、なお痛い。私は近くにあった、コンテナまで思いっきり吹き飛ばされ、ぶち当たる。
A「ゲホッ、カハッ」
私はかろうじて立ち上がると神威は貼り付けた笑みをこちらに向けて"その程度なんだ"と聞こえるように言った。私はその一言に苛立ちが増すが急いで堪える。ここで乗ってしまったら神威のバカ兄貴の思う壺だ。そんなことはごめんだ。
私と一緒に吹き飛ばされた傘を構え直し数発神威に向かって打つと、体勢を整えた。神威は数発のうちの、何発もを受けたが少しも体勢を崩さずにこちらに歩いて向かってくる。
私はまだまだこれからだ、と拳を構え直した。
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作者名:マロン | 作成日時:2018年11月5日 18時