( 続 )「 惚 れ さ せ 屋 」佐野玲於

stage 54 ページ4

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今日の玲於さん、やっぱり変

なんかちょっとだけ … いつもと違う






「 … 玲於さん、今日 なんかあったの？」

玲於「 何で？」


「 いつもより、元気ないし 」





それにいつもより私を見る目が違う

いつもは 優しくて、目がキラキラして綺麗で
ドキドキしちゃうのに


今日は、どこか泣き出しそうな 切なげな表情で

笑い方もどこか 無理をしてる気がした






玲於「 負けたんだよね、俺 」

「 負けた？」


玲於「 俺自身に負けたっつーか、まぁ… そんな感じ 」


「 そう、なんだ。とりあえず … 飲みます？」






なんかよく分からないけど

とりあえず玲於さんは 何かがあってショックだったみたい。

この仕事してたらそりゃ大変な事とか、悩みなんて沢山あるよね


本当だったら、話とか聞いてあげたいけど

きっとこれは 私が聞くより、何も言わずに一緒にお酒を飲んだ方が良い気がする





玲於「 うわ、レモンサワーじゃん 」

「 へへ、LDHといえばコレかなって思って 」


玲於「 てか、アイスどろどろじゃん。」

「 え！玲於さん冷凍庫！」






“ 俺は冷凍庫じゃねーよ “ なんて笑いながら

買ってきたアイス、冷凍庫に入れて

ついでに2人分のグラスに氷を入れて持ってきてくれる。それが当たり前みたいに






玲於「 お前、どうせ缶開けらんないでしょ 」

「 開けれる！…… んんん、あれ？」


玲於「 か弱いな〜、貸してみ 」






… 玲於さんに、「お前」って呼ばれた。

それが嬉しくて。ついにやけてしまう


赤城さん、だったのが Aさんになって

お前、だなんて。



心を許してくれてるって事だよね？







玲於「 開いた。… 何ニヤついてんの？」

「 ふふ、ううん 何もない 」


玲於「 え、何。怖いんだけど 」



「 いやぁ、幸せだな〜って思って 」






初めは話した事もなかったのに

なんならちょっと、私にだけ態度が違うから嫌われてるのかなって思ってたのに

いつのまにかこんなに距離縮まってる


それが今では 私たちの当たり前になってて

例え惚れさせられなくたって
ここまで来たんだ。私の頑張りを褒めてあげたい







玲於「 … 涼太くんと付き合ったの？」

「 … はい？」


玲於「 だからそんなにやけてんの？」

「 え、何で涼太くん？」




玲於「 … はぁ、マジお前鈍感すぎ 」





玲於さんはキョトンとする私の、グラスを奪って

代わりに口付けを落とした。



しかも、ちょっと怒りながら




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