花火/コウテイ 九条 ページ44
貴女side
『冬に花火って、また』
待ち合わせに指定された公園に着くと、水の入ったバケツと花火を持って彼が立っていた
｢夏に使い切れんかったから、このままやと湿気てまうし｣
チラリと手に持っている花火を見て、そう呟いた彼に苦笑いする
『もう湿気てるんちゃう？』
｢良いから、はよやるで｣
少しムスッとした彼に頷いて、線香花火を受け取って地面にしゃがむ
カチッ、カチッと彼が持ってきたライターの音が鳴ると、ジュワーッと花火に火が移る
『お、付いた』
｢案外付くもんなんやな｣
自分でも火が付いたことに驚いた彼は、線香花火をジッと見つめる
『花火の消費なら、山田さんとか同期とやっても良かったんちゃうの？』
｢男だけで花火は絶対嫌や｣
謎の持論を持ち出してきた彼は、バケツに花火を入れる
『線香花火、やっぱ終わるの早いな』
｢それがええやん｣
『何で？』
｢花火なんか、ずっと燃えてても嫌やろ。四六時中パチパチうるさいわ｣
『それもそうやわ』
独特な考え方をする彼は、やっぱり面白い
『さむっ』
油断して上着を着て来なかったので、冬の夜は肌寒く、花火を持った手が悴んでくる。
｢ん｣
ズイッと花火を持っていない方の手を、差し出してくる
『んって何やねん。となりのトトロのカンタか』
笑いながら手を取ると、彼の手も少し冷たい
『こういう時は暖かいパターンやんけ』
1人でブー垂れていると、ジリジリと彼が近付いてきて肩と肩が触れ合う距離にまで来る。
｢これならまだ暖かいやろ｣
『そんな変わらん、拓文は脂肪ないから』
｢俺の分がAに付いてるから｣
『はっ倒すぞ』
2人でふざけていると、あと1本で花火が無くなる
｢これが最後やな｣
『おー』
私が花火を持って、拓文がライターを持つ
『今手繋いでるから、この花火が私に引火したら拓文も燃えるんちゃう？』
｢何しょうもないこと言うてんねん。てか全然火付かんし｣
カチカチとライターを花火に当てるが、火が付く気配は一向にない
『これだけ湿気てたんや』
｢よりにもよって最後のが？｣
『まぁ、それも私達らしいやん』
｢そやな｣
火の付かなかった花火をバケツに入れて立ち上がる
『来年は夏にやろうや』
｢おう。湿気とらん花火持ってくるわ｣
『当たり前やろ』
次の夏が待ち遠しい。
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ANA - すいません！追加なんですが....過激な感じでも大丈夫ですか？ (2020年1月9日 0時) (
レス) id: ed74a5df95 (このIDを非表示/違反報告)
ANA - 初めまして！リクです！宮下草薙の草薙くんで、嫉妬からの甘々な感じのが見たいです！よろしくお願いします！ (2020年1月6日 3時) (レス) id: ed74a5df95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずる(プロフ) - マキさん» お久しぶりです!!リクエスト承りました!!しばしお待ちを!! (2019年7月7日 23時) (レス) id: 6c5df035f8 (このIDを非表示/違反報告)
マキ - お久しぶりです。マキです!!リクエストなんですが、霜降り明星の粗品さんのお話をお願いできますでしょうか？シチュエーションは、バカップルでお願いします。 (2019年7月4日 20時) (レス) id: 4a018ae759 (このIDを非表示/違反報告)
kurumikan212(プロフ) - またリクエストで四千頭身の後藤君とラブラブな感じのデートが見たいです！よろしくお願いします。 (2019年6月30日 21時) (レス) id: 13c5b75118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずる | 作成日時：2019年3月31日 18時
