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「やっぱり、そう、なんだ……」
「Aちゃん、気づいてたの?」
「うん」

私は素直に頷いた。
気づいてた、と言うのとはちょっと違う気がするけど……根元は同じでしょ、結局は。

「へー、なんか意外だけどなあ〜」

男子……達也君だっけ?そいつがなんか私を貶すことを言った。

「達也!!黙って!!」
「うっせえ!!おめぇも黙れよ、瑠璃!!」
「はぁ?誰にどの口を聞かせて__……あっ!」

女子……瑠璃ちゃんが気づいたように声を上げた。

「はは。ごめんごめん。大声出してたね」
「え、いいよ、別に。そこまで大きくないし……」

それに、なんか和んじゃったし。

今日は憂鬱になりそうなほど嫌なことがありすぎて、気分が落ち込んでいた私。そんな私が今は、なんだか昔に戻ったような気分だし。

一年のころも、達也君や瑠璃ちゃんみたいに、私も男子と言い争ってたっけ……。懐かしいなあ。

「……まぁ、それでなんだけどね〜?」

瑠璃ちゃんではない女子が言った。
「それで」ってなんだろう?

「それで、ノアちゃんにぃ、いじめられてて驚いてさ〜」
「そう!今日、ものすごく驚いちゃったよ……」
「ねぇー?ナナもやっぱ驚いたー?」
「花も?……まぁ、驚いちゃうよね。まさか……また、ユイちゃんが犠牲になるなんて……」

どうやら、「それで〜」とかなんちゃら言った女子は、花ちゃんというらしい。そして、もう一方の女子はナナというらしい。

「普通、ノアは同じやつを二度はいじめたりしないんだ」

他の男子が言う。
これで全員の男子が声を出したことになる。あ、女子もか。
となると、この場にいる全員は声を出したことになるのか。

五人か……名前はこの男子以外聞いてないから分からないけど、なんとか覚えられそうだ。

「そう。ノアちゃんは同じ人をいじめたりしない」
「ユイはいじめられるハズじゃなかった……と?」
『うん』

五人の声が重なった。

「……あ、本題忘れてた」

花ちゃんが言った。

……本題忘れてたってどういうことですか……!?
え、さっきの本題じゃないの!?

私はちょっと驚いた。

瑠璃ちゃんが「あぁ、そうだったよ」と思い出したように声を弾ませた。

えぇ〜……わ、忘れてたの〜……?

ちょっと気分落ち込む……かも。

「で、本題なんだけど……__」

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作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時

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