43 ページ43
「やっぱり、そう、なんだ……」
「Aちゃん、気づいてたの?」
「うん」
私は素直に頷いた。
気づいてた、と言うのとはちょっと違う気がするけど……根元は同じでしょ、結局は。
「へー、なんか意外だけどなあ〜」
男子……達也君だっけ?そいつがなんか私を貶すことを言った。
「達也!!黙って!!」
「うっせえ!!おめぇも黙れよ、瑠璃!!」
「はぁ?誰にどの口を聞かせて__……あっ!」
女子……瑠璃ちゃんが気づいたように声を上げた。
「はは。ごめんごめん。大声出してたね」
「え、いいよ、別に。そこまで大きくないし……」
それに、なんか和んじゃったし。
今日は憂鬱になりそうなほど嫌なことがありすぎて、気分が落ち込んでいた私。そんな私が今は、なんだか昔に戻ったような気分だし。
一年のころも、達也君や瑠璃ちゃんみたいに、私も男子と言い争ってたっけ……。懐かしいなあ。
「……まぁ、それでなんだけどね〜?」
瑠璃ちゃんではない女子が言った。
「それで」ってなんだろう?
「それで、ノアちゃんにぃ、いじめられてて驚いてさ〜」
「そう!今日、ものすごく驚いちゃったよ……」
「ねぇー?ナナもやっぱ驚いたー?」
「花も?……まぁ、驚いちゃうよね。まさか……また、ユイちゃんが犠牲になるなんて……」
どうやら、「それで〜」とかなんちゃら言った女子は、花ちゃんというらしい。そして、もう一方の女子はナナというらしい。
「普通、ノアは同じやつを二度はいじめたりしないんだ」
他の男子が言う。
これで全員の男子が声を出したことになる。あ、女子もか。
となると、この場にいる全員は声を出したことになるのか。
五人か……名前はこの男子以外聞いてないから分からないけど、なんとか覚えられそうだ。
「そう。ノアちゃんは同じ人をいじめたりしない」
「ユイはいじめられるハズじゃなかった……と?」
『うん』
五人の声が重なった。
「……あ、本題忘れてた」
花ちゃんが言った。
……本題忘れてたってどういうことですか……!?
え、さっきの本題じゃないの!?
私はちょっと驚いた。
瑠璃ちゃんが「あぁ、そうだったよ」と思い出したように声を弾ませた。
えぇ〜……わ、忘れてたの〜……?
ちょっと気分落ち込む……かも。
「で、本題なんだけど……__」
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時