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職員室や会議室などの先生がたくさん利用する所を設けてある二階には生徒指導室もあった。
職員室の隣にある狭い部屋だ。
入ったのは初めてで、私は室内を見回した。
そこら中にダンボールがあって散らかっている。
生徒指導室はあまり使われることがないのと、資料室がせまく、このダンボール類が置けなかったというのがあって、このように散らかっているのだろう。
部屋の真ん中にはテーブルがあり、パイプイスが四つあった。
「座れ」
先生がそう言いながら座った。
私は先生の斜め前の席に座った。ユイは先生の隣からパイプイスを取ってきた。
私は入る隙間を開けた。すると、ユイがその隙間にイスをおき、座る。
少しせまいけど、どーでもいいや。
……あー、にしても暑いな。
なんで窓閉めきってるのかなあ。
こういうところダメだね。私の中では下から二番目の評価だよ。
「ノア、座れ」
ノアが部屋の入り口のところでツンとすましている。
生意気だ。ムカつく。早く座れよ。
ノアは先生に言われ、しぶしぶといった感じで、先生の前のパイプイスに座った。
「で、何があったんだ」
『……』
全員揃って無言。
先生はそれでも聞いてくる。
「女子が何人かに蹴られていると、お前らと違うクラスのやつに聞いてな。その何人かとは誰だ?」
私は口を開く。
「そ、その何人かというのは、二人です」
「誰だ、と聞いているんだ」
なんだよ。訂正してあげたのに。
私の次にノアが口を開いた。
「里子とさおりです」
仲間を売ったか。
でも、コイツの罪が軽くなるわけじゃないし、逆に罪を背負わされる人が二人増えただけ。
私にはなんにも支障はないわ。
「そうか。そいつらは自分から蹴ったのか?そして、蹴られたのは誰だ?」
「あ、あ、け、蹴られたのは、わ、わたっ……」
ユイが泣き出した。
こんなにユイって泣き虫だったっけ。それとも、精神が崩壊してしまったのかな。
なんにせよ、とても心配だ。
私はユイの背中をさすりながら先生に言った。
「ノアさんが二人に命令をして……蹴らせました。それと……この子、ユイが、蹴られて……__」
途中から息が上手く吸えなかった。
泣く前にくる、あの息苦しさだった。
私は、どうしてユイを助けられなかったのだろう。
あのとき勇気を出していれば、ユイはこんなにならなかったのに。私のせいだ。私のせい。私の、私の、私の__。
「……そうか。ノア、お前は今まで問題を起こしてきたらしいな」
先生がノアを睨んだ。
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作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時