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すると、ノアが目をふせて、震え始めた。
まるで、自分の方が可哀想だと言わんばかりに。
「私、む、昔、いじめられてまして……」
いじめられてた?フンッ、まさか!
そんなわけがない!
ノアはいつでも支配する側の人間で、色んな人を小学生の時からいじめていたと、私は知っている!
嘘に決まっている!どうせ、その場しのぎの嘘だ。今すぐにでもボロが出るさ。
「そ、それで、その人に、命令を受けて……私はしたくなかったんです。でも、しないとまたその人にいじめられてしまうから……」
先生がそこでユイの方を見た。
「だ、そうだ。主犯は他にいる。誰か分かるか?」
え、ちょ、ちょっと待って!?
信じるの!?
あんなやつのこと?なんで?どうして!?
絶対嘘なのに!!嘘に決まっているのに!!
なのに、なのに……ノアのせいでユイや雅ちゃんは苦しめられたのに、それなのに先生はノアを助けるの!?
そんなの嘘よ!!嘘!!嘘!!嘘!!信じられない!!
この最低男!!
お前なんか無限地獄に堕ちてしまえ!!
「知りません……」
「……Aはどうだ?」
私にも聞いてくる。
お前の質問に答える?この私が?
嫌だ。お前のような糞みたいな教師に誰が答えるかよ!!
そのとき、チャイムが鳴った。
もう授業始まるのか。
「Aは知ってるか?」
は?もう教室にかえしてよ。
あと、知るわけないじゃない。
だって、ノア以外に主犯なんていないもの。
「……分からないなら分からないと言いなさい」
「………わ、分かりません」
しょうがないから答えてやる。
先生は困ったような表情をした。
そして、ノアに色々と質問を投げた。
「で、お前はそのいじめっ子に命令を受けたんだな?」
「……はい」
「そいつはなんて名前だ?」
「言ったら私は……__」
「じゃあ何組だ?」
「それも言ったら、ダメなんです」
「小学校は?同じか?」
「はい。昔、同じクラスでした」
私はずっとイライラしていた。
よくもまあ、こんなに嘘つけれるよな。
早くボロが出ればいいのに。
早くユイや雅ちゃん、他のいじめた人達に謝ってよ。
もしかして、今までそう言って罰から逃れてきたの?ほんっと、最低!外道!
同じ人間とは思いたくもない。
「ちなみに聞いとくが、そいつは何部だ?」
「……元、バドミントン部です」
えっ?
元バドミントン部?
私はなぜかユイかと思ってしまった。
だけど、どうせ全部嘘だし、ユイなわけがないか。
……でも、ユイはノアと同じ学校だったって、聞いたことがある。
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作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時