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……うざい。
うざい。うざい。うざい。
うざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざい!!

ユイのすすり泣く声すらもう聞こえない。
聞こえるのは怒声だけ。
私がノアの肩を押さえながら大声を出している。

周りの人達はシンと静まりかえっている。

教室に響く私の声は、いつもより少し高めの声だった。

「お前なんか生きていなければいい!!お前のようなやつがいるから、皆苦しむんだ!!」

こんな風になってしまった経緯をここに綴ろう。

やはり、原因は何もされなかった休み時間の次の休み時間のときに起きた。

とても怯えていたのを覚えている。
ユイと一緒に教室から出ようとしたら、ノア達に止められた。

「どこ行くのかな?」

怖い。それでも、私はユイの手を引いて教室から出ようと、扉に手をかけた。
そしたら、その手を里子さんが叩いた。強く叩かれた。

「あーら?身の程わきまえてる?」
「さーとーこ!怯えちゃってるんじゃん!」
「いいじゃん、いいじゃん。そうしたほうがいじめがいあるって」
「えー、そうかなー」

いや。いや。

来ないで、触らないで、何もしないで。
見逃してよ。

これまでにないほど弱音を心の中で吐く私。
ユイを見れば、憎しみのこもった瞳でノアを睨んでいた。その瞳にでさえ私は怯えた。

その瞳にノアはすぐに気がついた。

「何よ、その目」
「……」
「何か言ったらどう?」
「……そ、そうね……あんたに言いたいことがあったのよ」

震える声でユイが言った。

「あ、あんたね、生意気なのよ……そんなんだ、だ、だ、だから……本当のと、友達なんて、できないのよ……!」

ノアを怒らせるには充分過ぎる言葉だった。

私は、ユイを助けなきゃと思った。
ユイを巻き込んでしまった。それを償うためには、ユイを助けないと!

「あんたねぇ……いつも可愛い可愛い言われて調子乗ってるからって、こういうときも調子乗んなくていいんじゃないかな〜?」

ノアがユイにゆっくり近づいて、そして……___。

「私は、ちょ、ちょう、調子になんて乗っ___」
「うっせえ!!ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ!!このグズったれ!!てめえ、誰に口聞いてんだよ!!この猫被りめが!!」

(猫被り?)

そこに疑問がいった。
でも、すぐにそれを頭の隅に追いやる。
里子さんとさおりさんが、ユイを思いっきり押して、机にぶつけたのだ。

「ユイ!!」
「……あ、あぁ……」

ユイの口から絶望した声が聞こえた。
だがすぐに、すすり泣く声になった。

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作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時

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