四十話 ページ45
重たい瞼をゆっくりと開ける。
明るく光る電気が眩しく何度か瞬きをしながらあぁ、戻ってきたのか。と少し他人事のように考えながら体を起こした。
!!
仰向けの状態だったからか気づかなかった。
人がいたとは。白衣の女性...。保健室か?
「ん、起きたか」
『...』
誰だろうか。寝ている間宿儺と話していたとはいえ結局は意識を手放していたのだ。頭がボーッとして回らない。
「家入だ。高専の医師を担当してる」
無反応だったからか自ら自己紹介してくれた。
助かる。
『...A』
「聞いてるよ。両面宿儺の姉だろ?」
私は、両面宿儺の姉なのだろうか。
宿儺の姉であることはわかるが、私は宿儺と両面宿儺は別人として捉えてるから両面宿儺の姉と言われると肯定できない。
『....』
否定しなきゃいけないはずなのになぜか私は黙ったままだった。黙って家入さんから目線を逸らして、薬が置いてある棚をボーッと見た。
「気になるんだけどさ、」
そうすると、家入さんが話しかけてきた。
見た目からしてお喋りには見えないから少し驚く。
話しかけられたため家入さんの方を向き言葉を待つ。
「なんで苗字言わないんだ?悟に会った時から下の名前しか言ってなかったんだろ?どうしてだ?」
ズキッ
あぁ、どうせいつか言われると思っていたがこう現実になると何も言えない。
なぜ苗字を言わないのか。
なぜだろうか。覚えてる理由は、苗字があの家が、嫌いだったから。
でもそれは二の次だった気がする。
一番大切な理由...なんだったか。
『覚えてないが....強いて言うなら、苗字が嫌いだったから』
「なぜ?」
『貴方、こんな質問興味ない立ちに見えますがなんで聞くんです?』
「気にすんな」
これは...五条あたりに調べてこいとでも言われたやつだろう。仕事の為かただの興味本位か。
アイツのことだ。どちらもということもあるだろう。
ここで言わなくても五条に聞かれるだけか...。
『...家が嫌いだったんですよ。実力主義者の父親に、普通で幸せを求める母親。それに従う女中や下男』
あぁ、思い出すと本当に...
『反吐が出る』
思わず感情的に言葉を発してしまい、自分でも驚き目を見開く。
『ごめんなさい。感情的になった』
「いや、いいさ。なんとなくわかったよ」
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アヤン - マジですごいっす!これからも頑張ってください!花御の言葉が逆再生!原作通りですごいっす! (11月19日 19時) (レス) @page39 id: de6c821a65 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - どうせお前らプリウス乗ってんだろ?!ってやめた方がいいと思います。東京の事故の事で言ってるのかもしれませんが、老人がプリウスだけ乗ってるとは限りませんよね。プリウス好きとして不愉快でした。 (2022年1月23日 23時) (レス) @page34 id: ad6dd6c82c (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽんず(プロフ) - 虎杖が映画見てた部屋は高専の地下にありますよ〜更新頑張ってください!たのしみにしてます! (2021年5月26日 22時) (レス) id: 649b5b4eec (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!最近更新が遅れて申し訳ありません。もうしばらくお待ち下さい。 (2021年4月1日 9時) (レス) id: b1173b4699 (このIDを非表示/違反報告)
nene(プロフ) - 今、読ませていただきました。面白いです! (2021年3月20日 22時) (レス) id: dec3a5e230 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪華 | 作成日時:2021年3月13日 17時