時代が変わろうとも宿儺の姉［両面宿儺］

二十五話 ページ29

Aside


！！
一つ呪霊は祓ったようだが、もう一つの呪霊の近く、野薔薇ちゃん以外の人間の気配があるな。
これは急いであげた方がいいか。


『虎杖君、野薔薇ちゃんの所に急いで行くことをお勧めするよ』

「なんで？」


忠告すると首を傾げながらこちらを見た。
そんなつぶらな瞳で見られても困ってしまうな。


『少々面倒臭いことになってそうだからね』

「？ まぁ、Aさんがそう言うならそうなんだろうし走るか！」

『あぁ』


虎杖君は本当に善人だな。
さて、どうしたものか。



私たちは急いで階段を上がり、野薔薇ちゃんがいるであろう部屋の隣に来た。


「ここら辺かなっ？」


バゴ


狙いを定めて壁を壊した。
壁を壊した？？？
自分で言っといて意味わかんないんだが。


「「！！！」」


「アレ？外した？」

『少し左だったかな』

「マジか〜！」


ボコォ


なんかもうやばいなこの子。
普通コンクリートの壁破壊できないんだけど？
私でもできないんだが？

虎杖君のやばさに圧倒されてる間に呪霊を攻撃し、人質だった子供を救出していた。
早くていいね。
虎杖君はそこら辺は悩まない。いい事だ。


『！！ 呪霊が逃げるぞ！！』

「逃がすか！！」

「虎杖！！その腕寄越せ！！」


おっ、野薔薇ちゃんの術式が見れるかな。
虎杖君が呪霊の腕を渡してる間に呪霊が外に出ていく。間に合うか？


芻霊呪法『共鳴り』


カーーン


藁人形に釘を打ち込んで...？


「オ゛ッ ア゛ア アァアアア」


ザクザクザク


！！
術式に合わせて呪霊からいくつもの針が出てきた。
呪詛返し...？違うか？
何にせそ面白い術式だな。

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