時代が変わろうとも宿儺の姉［両面宿儺］

二十四話 ページ28

〜虎杖たちが行った後〜

五条side


「やっぱ俺も行きますよ」


別に行かしてもいいけど、今回は野薔薇を見たいし、行かせると全部やっちゃいそうだし。
やめといた方がいいよね。
それに、


「無理しないの。病み上がりなんだから」

「でも虎杖は要監視でしょ」

「まぁね、でも今回試されてるのは野薔薇の方だよ」


悠仁はともかく、あの子はイカれてるかな？


「悠仁はさ、イカれてんだよね」


なんて恵に説明しながら自分の頭を指さす。


「異形とはいえ生き物の形をした呪い(モノ)を、自分を殺そうとしてくる呪い(モノ)を、一切の躊躇なく殺(と)りに行く」


それなら僕らにだって出来る。
けど、凄いのは、


「君みたいに昔から呪いに触れてきたわけじゃない。普通の高校生活を送っていた男子がだ。才能があってもこの嫌悪と恐怖に打ち勝てず挫折した呪術師を恵も見たことあるでしょ」


自分が殺られそうになっても動けるやつはそういない。悠仁はそこら辺の才能も持ってる。


「今日は彼女のイカレっぷりを確かめたいのさ」

「でも釘崎は経験者ですよね。今更なんじゃないですか？」


恵も勉強不足だねぇ〜。
あれ、教えてないんだっけ？
まぁ、いっか！


「呪いは人の心から生まれる。人口に比例して呪いも多く強くなるでしょ。地方と東京じゃ呪いのレベルが違う」

「レベルと言っても単純な呪力の総量だけの話じゃない‘‘狡猾さ,,知恵をつけた獣は時に残酷な天秤を突きつけてくる。命の重さをかけた天秤をね」

二十五話→←二十三話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す