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(…いや、怖すぎるだろ……)





診察室、とかかれた部屋に案内されたものの、
普通の病院のような、白い清潔なイメージなんてものは無く…




天上から吊るされた電球
机の上に置かれた メスや針。


固そうな無機質なベットに
血のついた布きれ



ボロボロの床と壁がさらに雰囲気を出していて

部屋を照らすのは
割れた窓から射し込む光と

電球のぼんやりとした光だけだった。





(……来るのが昼間でよかったな)




こんな場所に夜に来てしまえば
誰でも縮み上がるだろう。






『…少し待ってて』

「A、手伝うネ!」


『…、ありがとう』






お茶でもいれてくれるのだろう。

部屋を出ていったAに、神楽もついていった。





「…………」


「………………」




薄暗く、気味の悪い部屋に取り残された
男二人。





「…銀さん」


「なんだね新八くん」



「彼女……Aさん、でしたっけ?…何者なんですか…?」


「…見てわかるだろ。医者だよ医者。」



「いやそれは分かりますよ。玄関前に“橘医院”って看板がありましたもん」



「じゃあもういいじゃねぇか」




「良くないですよ…!僕が聞きたいのは、なんでこんな人目につかない場所で、
 こんな怖い建物の中、ひっそり病院を開いてるのかって事で…!」



「ンなの知るかよ!俺に聞くな!俺も分かんねーんだよ!」



「なんで分からないんですか!銀さんの知り合いなんでしょう!?」


「俺だってついさっきAがここにいるの分かったんだよ!!
 だいたい知りてェんなら本人に……!」






『銀時』





ビクゥッと肩が跳ねる。
ギギギ、と後ろを振り返れば



お盆を持ったAが、冷めた顔をしながら
スッと目を細めて俺を見ていた。




「………あの、…A…?……」




口角がひきつり、
ダラダラと冷や汗が流れる。





『……私がうるさいの嫌いってこと…もう忘れちゃったの?』




「…イエ、オボエテマス」


『…なら、静かにできるわよね?』



「ハイ、スイマセンデシタ」





………懐かしい。


…しっかりと覚えている。



巨大な冷たい氷に
体が押し潰されるような感覚。




つい昔を思い出す。





Aは何も変わっていない。



髪も伸び、前よりも綺麗になって、
大人の女になったが



あまり動かない顔も
静かに怒るところも

なにも変わっちゃいねぇ。




それがとても安心して、

とても嬉しく感じた





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A(プロフ) - ゴリゴリ子さん» そう言っていただけるとありがたいです。とても励みになります。期待に少しでも応え、1日でもはやく公開できるよう頑張ります。コメントありがとうございました(*´-`) (2019年4月6日 14時) (レス) id: c6331c3cfa (このIDを非表示/違反報告)
ゴリゴリ子(プロフ) - 返信ありがとうございます!そうですね、私も急かすようなことを行ってしまいすみません、、、気長に待っているのでこれからも頑張ってください!!応援しております (2019年4月5日 23時) (レス) id: 3d03260b0c (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - ゴリゴリ子さん» 申し訳ありません。そちらはまだ調整中でして…。ここしばらく仕事が忙しく、公開するのはもう少し先なのですが、それまで待っていただいてもよろしいでしょうか?私の身勝手な理由で大変申し訳ありません。 (2019年4月5日 21時) (レス) id: c6331c3cfa (このIDを非表示/違反報告)
ゴリゴリ子(プロフ) - 女医さんシリーズのパスワード教えてくれませんか??? (2019年4月3日 1時) (レス) id: 3d03260b0c (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 桂落ち希望!!!! (2019年3月25日 1時) (レス) id: 1283a49d39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:A | 作成日時:2016年5月4日 21時

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