疫病神体質の糸師家長女は死にたい

エゴイストの弟 ページ38

何故、自分は普通じゃない家に産まれてきてしまったのだろうか。兄弟がサッカーの天才じゃなくて、どこにでもいる普通の兄弟だったら自分は馴染めていたかもしれない

考えても無駄だ。自分が産まれてこなければよかった。あの二人だけならよかったのに

自分のような存在がなぜ、兄弟の足を引っ張って生きているのだろうか

家族に捨てられたのははっきりとわかるのになぜ、自分はないものにすがってしまうのだろうか

手に入らないとわかっているのにそれでもなお、手を伸ばしてしまう

そんな夢を見ながら自分はうたた寝してしまっていた



「ちっ………全く世話のかかる家族だな」

疲れて爆睡してる自分に弟の存在には全く気づかなかった

「……………軽すぎだな。ちゃんと栄養とってんのか？」

凛は空を抱えるとあまりの軽さにびっくりしていた

「はぁ、こんなことで寝てたら他のやつの邪魔になるじゃねえか…全くまたなにかの不幸で気絶したのか？それとも、寝てんのか。わかんねえ」

流石の凛は怪我人でしかも身内を邪険に扱うことができずに部屋まで運ぶことにした

「昔とかわらず…………痛々しい傷ばっかりだな………本当になんで、俺なんかを庇って怪我をしたんだよ………俺のことなんてどうでもいいんじゃねえのかよ………クソ姉貴………なんで、はっきりいわねえんだよ………」

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