スキル幸運EXの糸師家長女

大好きな兄 ページ7

家に帰ると携帯を見た

《糸師 冴》着信 200件


「またか」

一日、携帯を見てなかっただけなのにこんなに連絡してくるって世界的MFは暇なのか？

とりあえず、電話をかけなおしたら一秒で出たのでやはり、兄は暇なのかもしれない

『やっと出たな。遅すぎる。他の男の試合見に行って連絡先でも交換してたのか？』

なんで全部わかるのだろうか。怖い

「凛の試合に見に行ってただけ」

『そうか。また、他のチームにヘディングゴールとか決めて目立ってたんだろ』

冴はやっぱり、なんでもお見通しだった

『流石、俺の自慢の妹だ。どんどん自分をそうやって見せつけてやれ』

「僕は(そういう意味で)やってない」

冴は凛と違ってどんどん幸運を発揮してこいと進めるタイプだった

『知ってる。お前のことは兄ちゃんがよくわかっているからな』

「それならいいけど」

『お前はこの俺を世界的MFに仕立て上げた天才だからな。期待している』

え、そんなことをしてたの？初耳なんだが？



「空、今のダイレクトシュート、うますぎて取れなかった！もう一回勝負しろ！」

「ええ…」

滑りかけて足がからみかけてそうなっただけど？


「俺をこんだけ負かすとはやってくれるな。流石は俺の妹だ」

「…いや、その…」

足に適当にボール当たったからけっただけなんだけど？


今まで散々やってきた冴との一対一がいつのまにか、今の世界的MFを作り上げた土台になってるとは…

僕は運で勝ってたけど冴を鍛える形になっているとか知らなかった

『お前の夢は誰がなんというと兄ちゃんが応援してやるよ。お前は俺の可愛い可愛い妹なんだからな』

「ありがとう…」

ビッグラブのお兄ちゃんだけど頼りになる

『結婚と恋愛は俺は簡単に認めねえからな。特にサッカー選手ならストライカーとかは俺が直接、対決してから定めてやる』

「…冴に勝てる相手なんかそう簡単にいないよ」

……僕が未だに異性で恋愛できないのは兄弟による厳正なチェックがあるからだ

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