喪失 ページ49
「…圭介?」
「気がついたか!シエル」
「いだい」
凄い力で抱きしめられたもんだから脇腹の傷がいたんだ
「すまねえ。力入れすぎた」
一気に100人がりの無双した奴がチカラこめるのやめて
私の体はそんなに強くない
「何があったんだよ」
「なんかいってた?」
「熱いとか痛いとか。助けてとか。やめてとか。思いっきり叫んでた」
「トラウマが……昔のこと思い出した」
「トラウマ?」
「左腕のこれ、つけられたときの記憶」
「!!だから熱いとか…いってたのか……」
「大したことはないと思ってたけどまさか、取り乱すとは思わなかった」
「幼少期に集団で暴力受けてて死にかけてりや嫌でも記憶に残るに決まってる。あんまり無理すんな。俺はお前の心が壊れるのも耐えられねえから」
「……」
「左腕のあとも、頭のあとも、脇腹のあとも、右目みえなくなってもシエルはシエルだろ?そんなこと関係なーよ。だから、見えねえ傷くらい治してやるから俺に話せ。それくらいは頼られてえんだ」
「うん。立派になったね……昔はマイキーにボコボコにされては泣かされてたのにね」
「その話はまた別でいいだろ!!忘れろよ!!」
「お化け屋敷では本物の幽霊見つけてビビって泣いてた」
「いいかげん忘れろって!」
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作者名:不思議の国の有栖さん | 作者ホームページ:なし
作成日時:2021年10月19日 22時