苦労人の佐野家長女の周りには不良しかいない (ページ6)

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観察ページ6

「みて。シエル姉、またサボってるよ。真兄」

そうとうやるのが嫌らしい

道場か……前にあったあの黒髪君の名前聞くの忘れてた

あの笑顔が頭から離れない

「圭介ぇ、オマエガキのくせに体幹ぶれねぇな」

あのこ、圭介君っていうんだ

「真一郎君」

「馬鹿！大声だすなよ！」

「真一郎」

「やべっ！じいちゃんにばれた！」

「ったく、アイツは悪さばっかして全然道場に顔を出さん。圭介、オマエはああなるなよ。顔がいい」

悪い例にされてるぞ、真一郎兄

いいのか。そんなので

その傍らでマンジロー兄が華麗な足さばきを見せていた

多分、あれ、見せつけるためだけにやってんだろうな

生まれてきて持ってきたものなんだろうな

「先生、なんで万次郎はろくに練習しねぇのにあんなにスゲェの？」

「あれは天才。なぜならワシの孫だから」

おじいちゃん、それ、解答になってない

孫馬鹿がでてるよ。しかも

あのこも多分強いんだろうな

マンジロー兄は天才だからやばいだけで多分、圭介君は普通より強いんだろう

頭の良さはわかんねーけど強いのはわかる

「シエル姉、すごいよね……あの足さばき」

多分、真一郎兄の強さは弟に全部取られたんだろうな

そうじゃないと納得しない