苦労人の佐野家長女の周りには不良しかいない (ページ31)

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救われたページ31

「イザナから全部話は聞いた」

「！？」

「あいつはお前の傷のことで自分を責めて責任感じてるんだ。だからお前から離れていったんだ」

「……イザナ」

私はイザナのせいで怪我をしたんじゃない

私はあの時、自分の意思でイザナを庇った

だからイザナのせいじゃない

刺されたのも炙られたのも全部、イザナは悪くない

なんで上手いこといかないのかな？

「我慢しなくて本音いったらいいんだぞ？ここじゃマイキーもエマもいないしな」

「真兄…」

「無理すんなよ。お前はまだ小学生なんだからそんなに無理しなくていいんだ」

「あの時、私がイザナのところにいかなかったからあんなことにはなってなかったのに……
私が逃げるの早かったらイザナがあんな悲しそうな顔することなかったのに……イザナを庇ったことは私の意思だから…怪我したのは私の意思だから…イザナには責めてほしくなかった…全部、私のせいだよ…」

「シエル、お前のせいじゃない。悪いのはお前らを襲った奴だ。その時の自分を責めるな。お前はよくやったよ。怪我してたのにイザナを庇ったんだろ？
助けたんだろ?救おうとしてたんだろ？
……それは誰にでもできることじゃない。素晴らしいことだ。それにイザナのためにも自分を追い詰めるな」

「真兄」

「名誉の負傷なんだろ？その怪我」

「うん…」

なんだかすっきりしたような気がする