ある日、未来のトリプルフェイスを拾った。【名探偵コナン】

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動物たちと触れ合っていると時間はすぐ過ぎていって、いつの間にか昼食の時間が訪れていた。広場のようなところに出て、レジャーシートを広げて、お弁当にする。

いろんな動物を触ったのでちゃんと手は洗わなくてはならない。交代で荷物番をすることに決め、あたしは先にお手洗いに行かせてもらった。

丁寧に手を洗って零くんのところに戻れば、何やら大学生くらいの女性二人に零くんが絡まれている。カワイイお姉さんたちだ。身体の隅々まで気を配っているのがわかる。

零くんはそういう類の対応に慣れていないようなので、早めに助けてあげることにした。



「零くん戻ったよー、あ、お姉さんたちに遊んでもらってたの！ ありがとうございますー」

「いーえー！ この子めっちゃかわいいですねぇ、彼氏ですか？」

「バッカ弟でしょ！ あんまり似てないんですねー！」

「いやいや従兄弟ですよ。イギリスから来たばかりなんです……さ、零くんも行っておいで」

「うん」



零くんが去ると、お姉さんたちも「それじゃ」と言ってどこかに去っていった。ふう、根がいい子たちで助かった。

それにしても、一人にしておくと絡まれるとは思ったけど、たった二分離れたくらいで絡まれるか普通。こりゃ今日は離れられないな……。

零くんもすぐに戻ってきて、二人揃っていただきますをした。歩き回って疲れていたのと、零くんと一緒につくったという事実が合わさって、今までで一番美味しく感じた。



「……Aは、ああいうの慣れてるの？」

「さっきの女の人たちのこと？ 絡まれたことはないけど、長く生きてるとできるようになるよ」

「言うほど長く生きてもないじゃん」

「零くんよりは十一も上ですー」



いーっと歯をむき出しにして笑ってみせると、零くんが「絶対見下ろしてやるからな」と宣言した。身長の話かな？ 残念ながらきみはかなりの高身長イケメンになることが決まっている。大人になって会えたら存分に見下ろしてくれ。そんなときは来ないのだろうけれど。

零くんはハムサンドを齧りながら、それにしても、と話を変えた。



「Aはなんでもできるよなあ」

「えっそんなことないよ。できないこといっぱい」

「そうか？ 料理はプロ級だし、家事も得意だし、勉強も教えてくれるし、あと嘘が上手い！」



彼の中のあたしはずいぶん美化されているようだ。

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