No.27 無意識の笑顔 ページ28
「(………いや、今日はシフトじゃないはず……大丈夫、彼は居ないはず)」
「園子お姉さん、明日の動物園の話なんだけどね、Aお姉さんも連れて行ってほしいの！」
子供達が園子に話し始めた横で、Aは自分に言い聞かせるように心の中で呟いた。
「はぁ！？Aちゃんも！？」
「園子さんお願いします！」
「皆で行った方が楽しいだろ！」
当人であるAを置いて、話はどんどん進んでいく。Aも下手に何かを言うつもりはなく、黙って園子を見つめている。どうにも年相応には感じられないAの目に若干気圧されつつも、園子は眉を寄せて言った。
「てっきり動物園なんて興味ないと思ってたんだけど……」
「動物園なんて久しく行ってませんから、興味がないと言えば嘘になります。でも勿論お断りしていただいて構いませんから」
冷めた口調と声色に尚更こいつ子供か……？と思う園子だったが、右手で髪をすくって払うと、仕方なさそうに笑って言った。
「ま、ガキんちょのお願いくらい聞いてあげるわよ。園子様は寛容だからね！」
「…………」
余計なことを言わなければ純粋に良い人なのにな、とAは思った。
「ただし、その生意気な態度は改めること！年上には敬意をもって…」
「はい、失礼なことばかり言ったのに、ありがとうございます。明日楽しみにしてます」
上から目線で腕を組んで喋っていた園子だが、自らの言葉を遮ってAが礼を述べ、更に今まで見たことのないような柔らかい笑みを浮かべると、ぽかーんとして言葉を忘れてしまった。まぁその笑みは次の瞬間には無表情に戻ってしまったのだが。
「それじゃあ私はこれで…………、あの、何ですか？」
後はコナンから詳細を聞こうとAはその場を去ろうとしたが、全員が驚いたようにAを見ているのでAは怪訝そうに目の前の園子に訊ねた。園子も驚いた様子を隠さず、目を丸くしたまま言った。
「あ、アンタ……笑えたのね……」
「………失礼じゃないですか？」
とりあえずジト目でそう言い返したAだったが、内心自分でも珍しい事をしたものだと思った。最初は関わる事もないのだからと冷たい態度ばかりだったが、いざ触れ合うとこうした態度までとってしまい、意外と自分は甘いのかなぁと思った。
「……まぁ、滅多な事では笑いませんけど」
もしくはあらかじめ目の前の人達の良い所を知っているからか。Aは色々考えたが、明確な答えは出なかった。
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文月鎖夜(プロフ) - ちょこちょこですが小説進めてます！ (2016年4月24日 14時) (
レス) id: 3c35e627c1 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - 神さん» ありがとうございます(*^▽^*)頑張らせて頂きます！！ (2016年4月10日 21時) (レス) id: 3c35e627c1 (このIDを非表示/違反報告)
神 - 面白いです！！更新頑張ってください！ (2016年4月10日 21時) (レス) id: 36229bb8d8 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - かりんとうさん» ありがとうございます*^^*これからも世良はちょくちょく出そうと思ってるので^^* (2015年11月27日 0時) (レス) id: 8b8cd9f128 (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 乙です〜！世良ちゃんはやっぱり可愛いですね(( 主人公も可愛い*^^* (2015年11月26日 23時) (レス) id: 87f8bb60e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文月鎖夜 | 作成日時：2015年7月8日 16時
